2019-01-01から1年間の記事一覧
地球を直径10センチのりんごに喩えてみる。そして、人が(地球上で)到達できる範囲で、最も高い所をエベレストとすれば0~9千メートルであろうか。それをりんごの皮の厚さに換算してみれば、0.07ミリメートルだという。皮をむけないくらいの薄さである。…
<起きて半畳、寝て一畳。天下取っても二合半>。金儲けをしても人は畳半分か一枚分。一度に食べられる量も取るに足りない。 とはいえ、年末年始はご馳走にありつけそう。最近は鍋料理もよくいただく。この手の料理は、“話し合いの食べ物”なのらしい。それぞ…
まだ昭和の頃だったか、クリスマスの日に仕事で車移動していた。カーラジオのFEN(極東放送網)からクリスマスソングが延々と流れて、聴いているうちにウキウキしてきたのを今もよく憶えている。 クリスマスはイエス・キリストの誕生日ではなく、降誕(誕生)…
私はどんなジャンルでも逸話が好きである。 「今日のお客さんは◯百◯十何人でしたね」と、演壇から降りて係の人に告げた。将棋の大山康晴十五世名人が講演をした際の逸話だ。その数は主催者の記録と、ぴたり一致。「客席は将棋盤と同じマス目だから、ひと目で分…
日本は異常に海岸線の長い国らしい。その長さのランクは世界で6位。とはいえ、国土面積が日本の25倍近くもある米国の(海岸線の)1.5倍。26倍近くもある中国の2倍以上にもなる。 四方を海に囲まれているだけではなく、海岸線の多くが凹凸に富んでいる…
『吾輩は猫である』(夏目漱石さん)の一節にある。<人類で最初に海鼠(なまこ)を食べた者はその胆力において敬すべく・・・>と。 「海鼠の化けたよう」なる ことわざもあるという。醜いものの例えらしい。海鼠は見た目で損をしているのか。とはいえ、あの歯ご…
ふと、懐かしきことが思い浮かぶ。あの頃...手軽にプリントを作るとき、謄写版印刷機が欠かせなかった。どういう訳か、我が家にもあった。ロウ引き原紙に鉄筆でガリガリと音をたてて文字を書く。あのガリガリ感覚が蘇る。 そこからガリ版と呼び、その作業を…
私は“テレビっ子”である。とはいえ、テレビではなくスマートフォンなどで、動画や配信映像を楽しむ人が増えている今は、この言葉も死語なのかもしれない。私もリアルタイムの番組はほとんど観ていない。 白黒、カラー、地上デジタルと進化してきたテレビも、…
わずか20年ほどで、ITは私たちの生活を大きく変えている。その快適さからもう後戻りはできそうにない。世界中のパソコンやスマホの膨大なデータは、プラットフォーマーと呼ばれるIT(情報技術)大手が吸い寄せ、それをまた新たなビジネスへつなげていくから…
今秋に始まったテレビの連続ドラマはけっこう楽しい。大好きな『結婚できない男』が13年ぶりに復活、『時効警察』も12年ぶりの復活である。 あと、女優・波留さん主演のドラマ『G線上のあなたと私』は、見慣れた地元周辺のロケシーンがとても多いので、…
デジタル時代以前、一般的に映画で使われていた35ミリフィルムの映像の解像度は、4Kに相当するという。フィルムで撮られた名作映画やテレビ番組が、相次いでデジタルリマスターされているのはそのためらしい。 従来のテレビ放送は、その解像度で映せなか…
茨木のり子さんの詩『笑う能力』のこのフレーズは、何度読んでも楽しめる。教授の元に教え子から便りが届いたそうな。 <先生 お元気ですか 我が家の姉もそろそろ色づいてまいりました>。 艶っぽい話のようだがそうでもない。<手紙を受けとった教授は 柿の…
元号が昭和から平成へと変わる頃だったか、“殿様改革”なるものが進んだという。近寄りにくい感じの“◯◯殿”がほんわりとした“◯◯様”へ・・・と。役所の文書の宛名である。 当時の新聞によれば、“様”は“殿”より敬意をあらわすレベルが上らしい。ふだんの使い方で…
花が色美しく生まれるのは、偶然ではなく理由があるらしい。花粉を運んでもらえるようにと虫を引き寄せるためであり、花の中で生まれてくる種子(子供)を紫外線の害から守るため、花びらに色素が多く含まれる。子孫を絶やすことがないための美しさともいえそ…
1989年(平成元年)に、日本の小中学校は計3万6115校あったという。小学校や中学校が統廃合で減り続けているため、昨年は計3万162校になった。 生まれてくる子どもが減り続けていることもあるが、学校減少の要因の一つに不登校の増加もあるようだ…
映画やドラマはストーリーだけでなく、“事件・事情・事実”という3大要素の絡み合いも見どころである。とくに、事実なのかと感じさせられるリアリティに興味が深い。 2018年11月公開の映画『スマホを落としただけなのに』は淡々と始まった。発端は、ヒ…
<夕有風立秋>。風流な知人宅を訪ねた客が、床の間の掛け軸に関心を寄せた。“秋、風の立つ夕べ有り"・・・か? 「いい句ですな」と感心すれば、主人がニヤリとして言った。「ユーアルフーリッシュ。おばかさんね、と読むのです」。国語学者・金田一春彦さんの随筆にあ…
“言葉”は二義ということがよくある。たとえば、「何とも変わらない生来の性質」と「物事をやり通すたくましい精神」。“根性”のことである。後者の方ではものすごいヤツがいる。カタツムリの角(触覚部分)に入り込み、催眠術のように操る寄生虫がいるという。 ロイ…
カレンダーの残り枚数が少なくなると、時のたつ早さをしみじみと感じる。当たり前のことだが、子どものときより格段の早さだ。 生涯の時期により、時間の心理的長さは年齢の逆数に比例するという。つまり、年齢に反比例するものらしい。それを「ジャネーの法…
<笑う門には福来たる>。このことわざは、理にかなっているらしい。プレッシャーに押しつぶされてしまいそうなときなども、笑いは効果的で気分を和らげ、心身をリラックスさせてくれる。笑いには、免疫を高め不安を抑える不思議な力が備わっているからだ。 …
木の上に小屋を作ったのは映画『スタンド・バイ・ミー』の少年たち。『トム・ソーヤーの冒険』が洞窟の中。“秘密基地”は世界の共通語かもしれない。 こちらもある意味で当時の若者の“秘密基地”だった。あの新宿西口地下広場のフォークゲリラにも似た風景でス…
次の連休に、また大きな台風が来る予報である。雨量(1時間あたり)が20~30ミリでは“どしゃ降り”、30~50ミリだと“バケツをひっくり返したように降る”との表現。雨量がどれくらいだと人はどう感じるかを、気象庁が説明している。 ちなみに50~80…
随筆家・小説家の幸田文さんがかつて、家に来た畳職人の話を書き留めている。畳を扱う仕事は力だけでするものではなく、“こつ”や“なれ”で扱うから年をとってもけっこうやっていける・・・のだと。それでも彼は、老いる前に仕事を切り上げるつもりでいる。 <…
日本は“世界一のBGM消費国”だという。音楽ライター・田中雄二さんに、バックグラウンド・ミュージックの歴史をまとめた著作がある。 もし、コンビニやスーパー等の店内が静寂に包まれていたら、お客さんは必要なものだけ買って、さっさといなくなってしま…
酔ったときの会話で、私もよく使う「すべる」という言葉。元々は芸人らの業界用語で、笑いをとろうとしたギャグがまるでうけず、気まずい空気が流れることだという。20年ほど前の若者たちが使い始めたらしいが、今の若者に使ったらすべってしまうかもしれな…
昭和の時代に置き忘れてきたのだろうか。“骨のある人物”という言葉を近年はとくに聞かれないような気がする。 <自分の読みたい雑誌を作れ>が最初の指示だったという。新潮社の“怪物”といわれた伝説的編集者の斎藤十一(じゅういち)さんである。その斎藤伝説…
<何十年かたった後に、時代を思い出す最初の扉が歌であればいい>。作詞家・阿久悠さんの(自らの)作品に対する、思いであった。世の中にとっての歌は? との問いかけにて、それが答えのひとつだったようだ。 相手の側に立って考えられる能力のことを“共感力…
10歳代の頃、江戸川乱歩さんの小説をよく読んだ。登場人物としての若者の年齢としては、25歳との設定が多かったような気がする。当時の私はなんで? と思った。10代の若者の頭には25歳が大人だったからである。 歳を重ねるごとに、テレビや実際に目…
<迎えの拍手はきのうまでの人気、降りる時の拍手は今の人気>。五代目 古今亭今輔さんの名言だという。人の一生に置き換えても当てはまりそうである。 芸道と同じく、人生にも良いことと悪いことがある。また、人には食分(じきぶん)と命分(みょうぶん)があ…
ワープロやパソコンが一般化する前、ひらがなタイプライターを使ったことがある。今のパソコンキーボードと配列は同じく、アルファベットとひらがなを併用したものだ。打ち込みが新鮮で、ひとり悦に入った。 そのうちワープロが流行り、日本語入力は「ローマ…