日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

そこにあるかも知れぬヒント

 

<笑う門には福来たる>。このことわざは、理にかなっているらしい。プレッシャーに押しつぶされてしまいそうなときなども、笑いは効果的で気分を和らげ、心身をリラックスさせてくれる。笑いには、免疫を高め不安を抑える不思議な力が備わっているからだ。

お笑いの文化といえば、大阪とのイメージが強い。明治7年に大阪~神戸の官設鉄道で、大阪駅がつくられた梅田は、大阪の外れだったという。

当初の予定地は中心部の堂島付近だったようだが、“汽車は火を吐くので火事になる”と住民からの猛反対で変更を余儀なくされた。(低湿地を埋めた)田んぼだった一帯は「埋め田」と称され、後からめでたい「梅」の字に変わったようだ。

芸事の中で笑わせる芸は、泣かせるものよりはるかにむずかしい。それが大阪の魅力とパワーのひとつにも感じる。

 

 

千利休の利休七則には、気遣いする大切さが説かれている。そこにある<相客(あいきゃく)に心せよ>は、今風に言うと「上座にいる人も末席にいる人も含めて、同席者には気を配りなさい」なのだろう。

利休が弟子から「茶の湯とは」と聞かれたときの答えである。「それくらいならよく知っている」と弟子が応じると、利休はすかさず「もしそれができたら私はあなたの弟子になりましょう」と。

茶道や舞踊、華道など稽古事をたしなむ人には、6歳で始めた人が多いそうだ。数え7歳で稽古を始めるのがよい、と世阿弥の『風姿花伝』にもある。

子供の習い事といえば、かつてのピアノに代わり水泳や英会話もあるが、今は将棋や囲碁が選択肢に入るかもしれない。羽生善治九段もちょうどそのころ将棋を始めた。

 

 

7歳から囲碁を始めたのは坂井秀至(ひでゆき)八段。高校時代は(将棋や囲碁を学ぶ)棋道部だった。そこで先輩からアドバイスを受けた。<社会人になって接待に使えるのは絶対、囲碁やで>と。

その先輩の理論によると、「将棋は王将を取られるので負けると屈辱的。囲碁なら何目か負けた程度の勝ち負けだから、それほど悔しくない」のだと。

“布石を打つ”という言葉もある。囲碁は打ち、将棋は指す。言葉尻ではあるが、囲碁はなんとなく戦力的でもある。

さて坂井八段であるが2019年8月に、医師への転身のためと、所属の関西棋院より同年9月1日より全棋戦を休場すると発表して話題になった。京都大学医学部卒業で医師免許保持者としても有名であったが、この46歳での決断は興味深い。

囲碁で学んだ体験が、医師の技術にもきっと受け継がれることと期待する。