日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

創作・作家

仕事をするときのモットーは

好きな作家や映画人の話から教わることはとても多い。 不安でならない時や心の弱っている時“そこ”に飛び込みたくなる、と作家の太宰治さんはある場所について書いた。そこへ行くとホッとして助けられるのである。 それは映画館。世間から切り離された真っ暗…

システムの部品に徹すること

かつて、セールスの講習を何度も受けた。落とし所(クロージング)、セールストーク、押しと引きのタイミング等・・・いくつものノウハウを聞いたが、飛び込み営業は実戦あるのみ。 英語でいうと「フット・イン・ザ・ドア」らしい。ドアに足をはさめれば、セール…

衰えぬ向上心こそが可能性へ

全世界のうち日本の国土面積は0.28%だという。それで、全世界で起きたマグニチュード6以上の地震の20.5%が日本で起きている。日本の活火山も全世界の7.0%になるそうな。 明治時代の『東京風俗志』という書物には<都下の建築は常に火災を慮(おも…

興味が尽きない作家達の逸話

ウィキペディアによれば、作家とは芸術や趣味の分野で作品を創作する者のうち作品創作を職業とする者、または職業としていない者でも専門家として認められた者をいう・・・らしい。 <私は自分の小学生の娘や息子と、少年週刊誌を奪ひ合つて読むやうになつた…

乗り越えた力の源泉はなに?

随筆家・小説家の幸田文さんがかつて、家に来た畳職人の話を書き留めている。畳を扱う仕事は力だけでするものではなく、“こつ”や“なれ”で扱うから年をとってもけっこうやっていける・・・のだと。それでも彼は、老いる前に仕事を切り上げるつもりでいる。 <…

編集者・作家・詩人の説得力は

昭和の時代に置き忘れてきたのだろうか。“骨のある人物”という言葉を近年はとくに聞かれないような気がする。 <自分の読みたい雑誌を作れ>が最初の指示だったという。新潮社の“怪物”といわれた伝説的編集者の斎藤十一(じゅういち)さんである。その斎藤伝説…

ホットとクールなメディアは

カナダの英文学者、文明批評家であるマーシャル・マクルーハン(1911年~1980年)は、電波時代の予言者とも言われ、「未来の未来は今にあり」との発言で、未来の兆しを現在に発見する能力の持ち主であった。 「メディア・イズ・メッセージ」という独自の文…

ブログのエッセンスを顧みて

ブログを始めて今年で9年。ずっと暗中模索である。その前は、(インターネット創生期の産物であった)メーリングリスト(ML)の書き込みを18年。オーナーとして16年弱続けてきた。多くの人と出会い、ネット以外にも飲んで遊んだ。 そこでは返信(レス)モー…

人生の大先輩のエピソードは

どんなことでも、人生の大先輩のエピソードは興味が尽きない。『雨』などで知られる作家サマセット・モームは晩年、生涯最高の感激は何だったか、と問われ答えた。<戦場の兵士から「あなたの小説を一度も辞書の世話にならずに読んだ」という手紙をもらった時…

誤解のない師走を堪能したい

<銭金が こうたまればと 十三日>。江戸川柳である。この時代の風習で、12月13日は年に一度の大そうじ“煤(すす)払い”の日だった・・・と。 仕事もさることながら、忘年会で多忙な方もいらっしゃることだろう。誘われて「行けたら行くね」と言う人がいると…

昨日と違う自分を意識すると

本を読まなくなって久しい。原因はハッキリしている。パソコンとネットである。インターネット以前のパソコン通信で、活字中毒の自分が途絶えた。それでも、本は好きだ。今、最高に贅沢な時間は? と思えば、読書の時間かもしれない。 本は読む場所によって…

ラストに強いあの作家の魅力

<人は、あてにならない、という発見は、青年の大人に移行する第一課である>。そして、<大人とは、裏切られた青年の姿である>。太宰治さんは『津軽』に書いた。 「子どもの頃から、疑問に思うことを親とか先生にぶつけると、“大人になったらわかる”とか“わ…

宮崎駿監督から学ぶ ある流儀

釣り人には短気が多いらしい。以前、釣り好きの人からその理由をお聞きしたことがある。釣りという作業は、やることがあまりにも多いとのこと。釣り糸を垂らしてウキを、注視し続けるときも、気長にかまえていることはないらしい。私みたいな呑気者には向か…

推敲を重ねた180文字の時代

物事の表記で、「“1個"、“2つ"、“3メートル"、」などと、数量を示すことを基数詞といい、「“1番"、“2回目"、“第3回"」のように、順序や順番では序数詞と呼ぶとのこと。 <『田園』で知られるメロディーは、ベートーヴェンの交響曲6番の1楽章に出てくる・・・>…

忘れるためにメモをとるクセ

なにかが浮かんだり、テレビでおもしろい話が聞けたら、自然にメモをとってしまう。手元には道具がある。ボイスレコーダで思いつくまま断片的に録音したり、百均のホワイトボードに手書きをする。 やることを減らしてシンプルにすることをフォーカスというら…

時代は関係ない気がしてきた

松本隆さんが作詞した曲を一度も聴いたことのない人は、いないかもしれない。作詞活動は今年で47年。1980年代は松田聖子さん、近藤真彦さん、薬師丸ひろ子さんたちに詞を書き、歌謡曲の全盛期を支えた。 90年代以降もあらゆるアーティストに詞を提供…

ネットの情報量に対抗する質

何十年も気がつかないことがある。<空をこえて ラララ 星のかなた・・・♪>。『鉄腕アトム』の歌詞を書いたのは、(なんと!)詩人・谷川俊太郎さんであった。恥ずかしながら、そのことを知ったのは本日の数分前。 谷川さんは85歳で創作生活67年。詩だけ…

イマジネーションを自由操作

人類の祖先が芸術創造の才能を開花させたのは、(約4万~1万4500年前の)後期旧石器時代で、場所は欧州の洞窟らしい。ランプの薄明かりを頼りに、石器や絵の具にて壁面へ動物や人を描いた。 その洞窟壁画が初めて発見されたのは、1879年のスペイン北…

飾らず手軽に読める文学全集

“文学全集”が飛ぶように売れた時代があったそうだ。その元祖は“円本(えんぽん)”と呼ばれるシリーズ本であり、1926年に出た『現代日本文学全集』(改造社)がきっかけになり、1冊1円の手軽さで人気を博した。 また、戦後の1952年には角川書店が『昭和…

娯楽性の中にあるべき芸術性

数年前テレビで、漫画家のさいとう・たかを さんが、黒澤明監督の話をしていた。その黒澤論がおもしろかった。 黒澤明監督作品から学んだものは多いと言う。その続きで、娯楽作品があんなにすばらしいのに、社会性やメッセージを前面に押し出した芸術作品に…

三尺の童(わらわ)に才能が

<俳諧は三尺の童にさせよ>と言ったのは、俳人・芭蕉だという。技巧に走ることへの戒めもあるだろうが、子どもの素直な感性には目をみはるものが数知れない。 <せんぷうき あああああああ おおおおお>(小3女子) 数年前、新聞に掲載された作品であるが、…

気になる情報収集のポイント

数ある情報の中から興味のあるものを見つけるときは、だいたいパターン化されてくる。 たとえば、『2億円以上かけて寄付は2千万円』などとの記事見出しをみるとワクワクしてくる。それが自分のエントリに反映できるかどうかは別にして、その裏を想像しなが…

作品の真価は耳への心地よさ

今でも新聞などのコラムによくお名前が出る向田邦子さんは、食べ物にまつわる話が多い。向田さんの書かれた、味わい深いドラマの数々は、食べ物と無関係ではないようだ。 テレビドラマの家族がすき焼きを囲む場面を書くとき、向田さんは台本に肉の値段を書き…

忘れられない等身大の作詞家

袋に福と書かれていても、中身はわからない。「だれも、福袋を持たされてこの世に出てくるのでは・・・」。短編小説『福袋』(角田光代さん)にて、主人公の独白である。 あのときの音楽アルバムも福袋に似ていた。題名を見て選んだとしても、聴いてみなければ中…

鬼太郎とねずみ男を従えつつ

昨年、亡くなられた水木しげるさん。そのお墓に鬼太郎とねずみ男の石像があるとか。 悪事を働くもうまくいかず、時には反省ものぞかせるねずみ男を水木さんは好んだ。私も、ねずみ男と目玉の親父の大ファンである。 「俺は人気者だ」。ねずみ男が鬼太郎に告げ…

忘れっぽいと逆に入りやすい

ペンギンはフレンドリーな生き物らしい。観測隊員が南極で作業をしていると、とことこ歩いて近づいてくるという。 人間は同じ二足歩行の動物であり、遠目からは「仲間」に見えるのだとか。そのペンギンも地球温暖化により種の存続が懸念されている。海水温の上…

男前は女で 女々しくは男なり

『喜劇 男は愛嬌』(松竹)という映画のタイトルが印象深い。46年も前の映画である。森崎東監督デビュー作『喜劇 女は度胸』の続編らしい。映画の本編を観たか記憶は怪しいが、タイトルはしっかり憶えている。 “女々しい”という言葉は男のためにあるという。…

粋でモダンな池波正太郎さん

池波正太郎さんが亡くなり四半世紀が過ぎた。生まれ育ったのは、江戸の風情豊かな下町であった。職人だった祖父は孫をかわいがり、浅草や歌舞伎見物などによく連れ出した。 小学校を卒業した池波さんは、家の事情で奉公に出た。奉公先を移り変わり、株式の仲…

気むずかしくも慕われた漱石

今年の12月で没後100年になる夏目漱石さんは、圧倒的な知名度で高い人気を誇る。その作家人生は10年余りにすぎない。 思春期の読書好きな人が“あれ読んだ?”と語り合えるような、太宰治さんタイプではないかもしれないが、粋で新しいもの好きなおしゃ…

“下から目線”で得られる全体像

<俺はねえ、人を見下げることは嫌いなんだよ。俯瞰(ふかん)ていうと見下げるじゃないか>。映画監督・小津安二郎さんは語った。ローアングル(低い位置にカメラを置いて撮影する)技法を駆使する、小津さんならではの言葉である。 監督がセンチ単位で指示する…