日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

おでんの具はなにが好きかな


<夕有風立秋>。風流な知人宅を訪ねた客が、床の間の掛け軸に関心を寄せた。“秋、風の立つ夕べ有り"・・・か? 「いい句ですな」と感心すれば、主人がニヤリとして言った。
「ユーアルフーリッシュ。おばかさんね、と読むのです」。国語学者金田一春彦さんの随筆にあった笑い話だ。

コンビニでビールや酒を買う時、いつもこの言葉を発したくてしかたがない。<私が未成年に見えますかね>と。どう見ても未成年に見える年齢や面相ではない。

年齢確認のタッチパネルに触れることに、毎回 違和感を覚える。

店側が客の手を煩わせるわけは、“青少年を守ることにある"とのことはよくわかる。ただ、杓子定規な対応が理解できず、無意味にも不公平にも思えてしまう。

 

 

今も商店などでは、ひやかしの客などと使われていることだろう。“素見(すけん)"という言葉があり、それを“ひやかし"とも読むらしい。元々のひやかしは、遊女を見て歩くだけで登楼しないことだとか。

かつて、江戸の色街といえば吉原。そのそばに紙漉き場があり、職人が紙を水に浸して冷やかす。そして待ち時間に遊女を見て歩いたので“ひやかし"という言葉ができたという。

さて、おでんが食べたくなる季節である。おでんの具の人気トップテンなどを見ても楽しい。私の好きな具は(上位にならないだろうが)、「はんぺん」と「ちくわぶ」がダントツである。

冬の屋台の定番と言えば、昔から「おでん」だろう。おでん種をつまみながら、日本酒が温まるのを待つ。ただ、そんな楽しみ方は昔話になるかもしれない・・・らしい。

“ひやかし"といっては語弊があるが、 最近はお酒を注文せず、おでんだけ食べて帰る人が目立つという。店主としては、おでんをほぼ原価で販売している。もちろん酒を飲みながら屋台を楽しむ人はいるが、“酒離れ"が言われる若い層だけでなく、年配者も頼まないケースがあるという。

 

 

おでんだけ注文して15分くらいで帰ったり、おでんとジュースを頼む女性の2人連れだったりと。ノンアルコールビールを飲む人もいるらしい。

この話で久しぶりに行ったカラオケスナックを思い出す。店が混んでいたので流行っているのかと思ったが、お酒を頼まず歌だけを歌う客が増えているとのこと。カラオケ代だけではお店もたいへんなようだ。

さて、おでん屋台は珍しいとのこので、雰囲気だけ味わって帰ろうとする人もいる。屋台ではお金を使いたくないと考えているそうな。

また、コンビニのおでんの影響もあるという。酒の肴ではなく、おでんそのものでお腹を満たすという若者が多いとか。

居酒屋でも同じ事が起きていて、あるおでん老舗店でも、おでんだけ注文して食べて帰るお客はいるとのこと。こちらも屋台同様、お酒の注文が無ければ採算的に合わない。

お酒が飲めない。車で来ている。おでんだけが目当てなどと、飲食店の用途も様変わりをしているのである。