日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

なにかの実験なのか東京五輪


米国での奇想天外な実験を集めた文庫本に『狂気の科学者たち』がある。記憶のテストでは、あなたが5歳のときショッピングセンターで迷子になったことを覚えていますか? 
24人中7人が「もちろん」と答えたという。誰も迷子の経験などないのに・・・だ。

困った能力が人間にはあるようだ。ありもしないことなのに、そんなことも(言われてみれば)あったね、と冗舌に話し出す。

思えば、大ヒットの商品名も消費者になじみが深くなりすぎて、それが一般名詞と思い込んでしまう。

電子オルガンのことをエレクトーンと思い込み、ツナ缶がシーチキン、ラップはサランラップ等に、固有の商標が品物の名にすり替わる。

 

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“朱肉つきはんこ”のシャチハタもメーカーの名前であり、銀行や役所などで「シャチハタでもかまいません」などと普通に使われている。

余談だが、正式な企業名はシヤチハタだという。また、カメラやレンズでお馴染みのCanonもキヤノンと書く。

さて昨年から、シヤチハタのアイデア商品が、新型コロナウイルス対策になると話題になった。ばい菌キャラの描かれたスタンプを、帰宅した子どもの手に押すものである。

その手を消えるまで洗うと、コロナ対策で推奨される20秒以上になるという。害にならないものにて手を汚すことで、丁寧な手洗いをうながす逆転の発想なのだ。

また、シヤチハタは“はんこの不要論”の対応で、電子印鑑をテレビのCMで流していたが、こちらの反響はいかがなものか。ずっと以前からフリーの電子印鑑ソフトがあったり、エクセルなどでも作成をしてかんたんに使えている。私には必要ない商品だが、市場のニーズがどれくらいあるのかを見てみたい。

 

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古代五輪の発祥地・オリンピアでの競技会は真夏に開かれており、見物する側にとってもかなりの苦労だったという。観戦しながら日に焼かれることは、当時の重労働であった粉ひきよりもつらい罰になる・・・などの記述もあったとか。

酷暑の中での開催といえば東京五輪パラリンピックもそうだ。2013年に開催が決まったが、なぜ猛暑の中でやらなければならないのか? そのニーズがまったくわからず、当時からずっと反対であった。

日本の夏は、熱中症という言葉のない時代に比べて、明らかに暑さの質が違っている。近年はとくに、熱中症で命を落とす人が急増。

統計史上で初めて、2010年に年間1千人を超えてから、19年までには計4回、1千人超の死者が出ている。そして、19年までの10年間の死者数は、それ以前の10年間に比べほぼ倍増だ。

“それどころじゃない”という言葉は人を強く引っ張ってしまう。自らは右往左往の“右往でやめて判断”で、情報を見極める冷静な対応が必要になる。

反面、どれだけ“それどころじゃない”非常時なのかわかっていないのが、国の責任者たち。少人数の来日外国選手に対したコロナ対策でも、すでにボロを出している。これから万単位の外国人が入国したら、いったい何が起こるのか。

もし、大量の熱中症患者や感染の拡大が起きたら、誰が責任を持ち、どのように対応するのか。その概要が、国民にはまったく伝わらない。

もしかして、神風が吹くとでも思っているのだろうか。