日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

逸話から垣間見られるホント

 

私はどんなジャンルでも逸話が好きである。

「今日のお客さんは◯百◯十何人でしたね」と、演壇から降りて係の人に告げた。将棋の大山康晴十五世名人が講演をした際の逸話だ。その数は主催者の記録と、ぴたり一致。「客席は将棋盤と同じマス目だから、ひと目で分かりました」と。

棋士の頭脳は神秘的。神童と呼ばれた少年たちの一握りだけがプロになり、タイトルを手にする確率は極小。“永世”の称号となれば、宇宙にも届くような天の高みである

この時期の季語に“凍星”がある。凍てつく夜空には鋭い光の星が似合う。また、星空は人を哲学的にもする。

さて、水の存在を示す鉱物が小惑星17個から見つかったという。日本の赤外線天文衛星「あかり」が、小惑星表面の反射光から水を含む鉱物を検出した。

 

 

地球の生命や水の起源は宇宙にあり、空から降ってきたという見方が有力な仮説になってきた。天文学用語である「隕石重爆撃期」は41億年前~38億年前に月や地球と小惑星など他の天体との衝突が頻発したとの説に基づく。

この“重爆撃”が、地球に水や生命のもととなる有機物を運んだ、との観測だ。理屈がわからなければ人が納得しないのは、いつの世も同じである。

1922年、ちまたの妄言によほど困ったのか味の素がある広告を出した。<味の素は断じて蛇を原料とせず。弊社は名誉を賭し、ここに声明す>と。そして、小麦を原料とすることや製造法を詳しく明記した。そして、しばらくして妄言は収まった。

この時期など、“伊達直人”を名乗り、兵庫県内の児童養護施設にクリスマスケーキなどを30年以上も贈ってきた男性がニュースになったとき、初めは妄言なのかと思った。そして、正体不明の人物に興味を持った。

漫画『タイガーマスク』で、タイガーの正体である伊達直人は、トラックにはねられそうになった子どもを助けようと飛び出し、身代わりに死んでしまう。

 

 

強いタイガーが交通事故であっけなく・・・。死の間際、伊達直人上着のポケットにあった虎のマスクを、そばの川に投げ捨てる。自分がタイガーだったことを隠し通すためである。子どもたちへの善行も知られず、報われることのない最期は、切なくて印象に強く残るシーンである。

数々の名作を残した作家・池波正太郎さんの作品のラストシーンも、感動的なものばかり。食通で映画評論家としても著名であった池波さんの逸話も楽しい。

年賀状に関する話は有名である。年が明けると、池波さんは年賀状の干支の絵を描いた。流行作家の池波さんの暮れは多忙で、書くことができなかったのか。と思いきや、描いているのは来年の年賀状の下絵なのだという。

毎年、数千枚の年賀状を出していたので、年末になってからではとても間に合わない。そのため、春に刷り上がった年賀状を日に十枚ほどずつ書いていくという。これほどまでに丁寧な年賀状を、もし、いただけるのなら、家宝にしたくなりそうだ。