日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

自然・動植物・宇宙

追い打ちをかける感性の季節

かつてアメリカで、ある実験が行われたという。メッセージに<あなたのために選びました>と書かれた飴と、<適当に選んでみました>というメッセージでの比較反応である。 どちらが甘くておいしいと感じたか。結果では“あなたのために”との飴をなめたほうが…

閉じるようにできていない耳

人とは<眼前の獲物に夢中で、頭上から狙われていることに気づかない小鳥のようなもの>なのかもしれない。江ノ島や鎌倉のトンビを連想してしまう。いともかんたんに人の食物を盗み去り、人は空を飛んで取り返せない。 先日、住宅街を歩いていたら、帽子をか…

「気の持ちよう」にも因果あり

花が色美しく生まれるのは、偶然ではなく理由があるらしい。花粉を運んでもらえるようにと虫を引き寄せるためであり、花の中で生まれてくる種子(子供)を紫外線の害から守るため、花びらに色素が多く含まれる。子孫を絶やすことがないための美しさともいえそ…

袖すり合うも他生の縁となる

もう過ぎたが、7月25日は“かき氷の日”だという。7・2・5で「夏氷」との単なる語呂合わせだけかと思ったが、1933年7月25日、山形県で当時最高気温となる40.8度を記録したことでこの日になったとのこと。なにごとも理由がわかれば頭に入りやすい…

風や雲と語るのが一番なのか

こういう話が好きである。<どういう局面で長考するのか>との問いで、昭和の名人・大山康晴さんは即座に答えたという。「うまくいきすぎている時だ。落とし穴はないのか、と」。棋士はときに手番の一手を指さず、深い瞑想に沈む。 ノートに書いたことは消しゴ…

視覚的な文章にはスピード感

アクションは小説においても、視覚的に“見せる”ものらしい。作家・矢月秀作さんのコラム記事にあった。その大事な要素にあるのは“スピード感”だ。 アクション小説ならではの手法として、文章でスピード感をどう表現するのか。まずは、“センテンスの切り口”と…

便利さの呼び込む低いレベル

90億光年離れたところにある星の観測に成功。東京大などの国際研究チームが発表したのは1年前であった。 2015年、研究チームはハッブル宇宙望遠鏡で、90億光年離れた銀河に輝く天体を見つけたが、一つの星として観測できたものでは最も遠いとのこと…

ウソの裏にある大胆な大雑把

<さまざまの事おもひ出す桜かな>。松尾芭蕉の句である。人が桜に惹かれるのは、眺める度にうれしかったり悲しかったりする。そして、共に刻んだ記憶がよみがえるから・・・と。 3分咲きや5分咲きと、桜の開花を数値化するのは、本来 無理な話らしい。木…

けたたましきユーチューバー

冬景色の野山で早咲きの春の兆しを探すのが「探梅」といい、冬の季語だという。初物好きの江戸っ子は、雪の降るうちからそこら中で梅を探し回り、ほころびたつぼみ一つ見つけようものなら鬼の首でもとったようにほくそ笑む。江戸の書物に探梅風景を記したがあ…

秋も日暮れて思いは津々浦々

ある日本人がアメリカの駅の窓口で、ニューヨーク行きの切符を買おうとした。「to New York」と言ったら2枚の切符が出てきた。駅員には“two”に聞こえたらしい。かなり昔からある“英語ネタ小話”だ。 言い直してtoを「for」にしてみると、切符は…

好きこそ言い逃れの上手なれ

<また寝坊 ついに親族 死に絶える>。私の大好きな“サラリーマン川柳”にあった。寝過ごすたびに、親類の不幸があったことにして会社を休んでいたのだろう。 笑い話のようだが11年前、そのように気楽な稼業が健在だったらしい。有給の服喪休暇(忌引)を不正…

知能犯の様に単調ではない雨

子どものしつけで言われる<好き嫌いはいけません>。いくつもの栄養素をくまなく摂取しないと、からだによくない。 脳も同じで“雑食”を好むらしい。色々なことをバランスよく経験すると、健康が保たれる。また、左右の脳が釣り合いよく使われることで、脳を…

わかりやすい言葉と表現上手

<掃除の下手な大工は仕事もあかん>。数寄屋大工・中村外二(そとじ)さんの言葉だという。大阪万博の日本庭園をはじめ、生涯で120余りの茶室を手がけた。 駆け出しの職人は木の削り屑に肌で触れ、仕事の段取りや道具の使い方などを先輩大工から盗む。掃除…

雨が空から降れば自然科学が

暑くなることだけが地球温暖化の問題ではないという。異常気象も引き起こし、台風も巨大化している。水害や干ばつも増えて、農業や生活、経済活動にも影響を及ぼす。 天気予報もたいへんらしく「晴れ・曇り・雨」の予報が多い。直近の天候の変化としては、“雨…

自然の中に超えた何かがある

衣服関係の言葉は栄枯盛衰が激しいようだ。今でも愛用している“Gパン”はジーンズになり、最近はデニムと名を変えているとか。 セーターなどの“とっくり”はタートルで、“チョッキ”がベスト。アクション映画やドラマで出てくる“防弾チョッキ”などは、防弾ベス…

この星の壮大な時間旅行とは

“ダントツ”との言葉を世に広めたのは石原慎太郎さんとの説がある。月刊『文芸春秋』(1963年1月号)のヨットレース体験記に、「スタートからダントツ(断然トップ)で出た」と書いた記事を寄せた。 ダントツマークの美酒には“おごり”という毒も含まれていそう…

うまくいかない画像サイズに

たまの読書も、紙媒体ではなくなったせいなのか。 以前、よくあった製本の際の切り損ね。買った本を開いて、余分な紙を折り畳んだ不体裁なページを見つけたことが懐かしい。 裁断ミスのページは「福紙」または「恵比須紙」と呼ばれたらしい。それは、陰暦10月…

いつもと同じに去りゆくナツ

ツクツクボウシの鳴き声が、夕暮れ時の蝉時雨に引き立つ。そのメランコリックな調べに、ゆく夏を感じる。 だいぶ前から、道でひとつ、ふたつと、セミの亡骸を目にする。声を使い切り、地を這う力も尽きたように見える。 セミに比べると、テントウムシは長生…

なんのために鳴くホトトギス

炊飯器で炊いたご飯の、抜きん出ておいしい部分は表面だという。表面をすくい取って口に運べば、甘みがとても深いらしい。 うまい米は上へ上へと集まる。しゃもじで混ぜるのは“おいしさを均等にするためだ。 人間の社会でも、おいしい部分は上に集中する。し…

不変ではなかった一日の時間

約45億年前、誕生したばかりの地球は自転のスピードが速く、1日は5時間ほどしかなかったそうだ。以前、新聞のコラム記事で知りおどろいた。 その回転にブレーキをかけているのが月の引力で、潮の満ち引きが起きて、大量の水と海底の間に摩擦が生まれ、自…

花見はざっくばらんが一番だ

端唄にうたわれた<梅は咲いたか桜はまだかいな>だが、今年は開花の順番もかなり曖昧なようだ。私のまわりでは早咲きの菜の花が1月の初旬、そのすぐあとには河津桜も早く咲いた。そして、ソメイヨシノはさぞかし早かろうと身構えていたところ、例年より一…

「時」とは魔法のようなもの

2006年のトリノ冬季五輪スピードスケート女子500メートルで、岡崎朋美選手は0.05秒の差でメダルに手が届かなかった。 それを伝える当時の新聞記事の形容が、とても印象深かった。 25億円分の1円玉を1枚ずつ積み上げていく。それが空の高みに立…

「見る」のではなく「観る」こと

2005年の世界陸上ヘルシンキ大会・四百メートル障害で、銅メダルを獲得した為末大さん。その速さの秘密は、世界最高と言われるハードルを跳ぶ技術であり、「サムライハードラー」と呼ばれるようになった。 為末さんはコーチにはつかず、一人で工夫を重ねな…

宇宙エレベーターのスタート

炭素繊維「カーボンナノチューブ(CNT)」は、(近年開発が進む)日本発の先端素材である。髪の毛の1万分の1の細さなのに、鋼鉄より丈夫で軽いという特徴がある。 炭素は、温度や光など条件のちがいで、電気の通りやすさが変化する“半導体”の性質を持つ。地球…

2週間の風景を綴る時速とは

今年もあと2週間。毎月、2週間はすぐに過ぎ去るが、今月の2週間はアッという間だ。 この時期に必ず思い浮かべるのは、昭和の作家・池波正太郎さんである。千枚近くの年賀状を初夏の頃から少しずつ書き進め、一人ひとりを思い浮かべ、その名を直筆で記した…

原人の登場は最後の2センチ

冬の噺(はなし)に、古典落語の名作が多いという。その代表格としては、『芝浜』や『富久』か。 財布を拾ったり、富くじに当たる。ほんの偶然から大金を手に入れるなど、ツイている人物が落語には登場する。 立川談春さんによると、「改心して、努力して、必死…

大晦日の夕方に人類が現れる

“驚くこと”を表現する慣用句がある。たとえば、“やぶから棒”、“寝耳に水”、“ひょうたんから駒”。 “やぶから棒”と“寝耳に水”が使われる場面では、対応にあたふたする姿が浮かぶ。“ひょうたんから駒”は、普通で起こりえないような意外性が加味される。 “青天の…

矛盾含みの今秋も過ぎ去った

いつのまにか、四季のうちで“秋の長さ"を気にするようになっている。たしか5、6年前に長い秋の年があり、その体感から(長い秋を堪能できると)得した気分になれることを知った。 秋の期間の断定は、「最後の真夏日(30度以上)から気温が一桁になった間」が基…

魚種交代は謎の中だろうか

地球の氷の9割は南極にあるという。 大陸を覆う氷床は厚さが平均2450メートルにもなるらしい。それは、富士山の6合目までが氷に埋まった状態なのだ。 極地研究家でもある神沼克伊さんの著書『地球環境を映す鏡 南極の科学』にあった。 もし全て解けた…

知らないことの多すぎる気が

こうしてなにかを書こうとするたび、知らないことが増えてくる。 人類最大の天敵は?米マイクロソフト創業者ビル・ゲイツさんいわく「蚊」だと言う。 <蚊は破局的な病をもたらす。最悪はマラリアで、毎年60万人以上が(蚊の)犠牲になる>のだと。 その他の動…