日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

人の口が3つ寄り 評判が立つ

 

黒澤明監督の映画『悪い奴ほどよく眠る』(1960年)のオープニングシーンは、結婚式で登場人物が一堂に会していた。そこでは、公団の汚職に絡む複雑な人間関係が手際よく説明されていた。

事件の始末を幹部が末端の職員に押しつけ、自殺に追い込んでもみ消しを図ろうとする内容だったと記憶する。

哲学者・梅原猛さんいわく「どうでもよいことはきわめて正しい真実を語り、自己の政治支配を合理化する点においては、きわめてたくみにうそをつく意思がはたらいている」・・・のだと。日本書紀などでも、歴史とはそのときの権力者に都合よく書かれるものなのらしい。

さて、この方もきっとよく眠られていることだろう。安倍前首相である。うその上書きを、現代の官吏が行っていたのが森友問題をめぐる財務省の公文書改ざん騒動である。自殺に追い込まれた人がいても知らん顔のまま。

 

f:id:tomii23:20210113160341j:plain

 

また、安倍さんは眠ることだけでなくよく笑う。桜を見る会のゴタゴタでは、国会で笑いながら118回も嘘をついた。

「鉄面皮」は鉄のような面の皮のことで、恥を恥と思わないさまをいうそうな。厚くて硬い皮一枚は防具にもなる。そしてその皮の上に笑みを浮かべるのだから、理解しがたい神経だ。守ろうとしたのは国のトップの立場か、わが身か。おそらくその両方だったのであろうが。

日本はニホンとニッポンのどちら? この議論のテーマは昔からのもの。どちらでもOKというのが正解だという。2009年に政府が「いずれも広く通用しており、統一する必要はない」と閣議決定している。

国の名の読み方なのに、おおらかでありあいまいさも感じられる。ニホンと口にすればやさしく聴こえ、美しいニホンの景色や季節の移ろいも連想される。ニッポンだと力強く、経済が元気だった時代に海外で活躍するチャレンジャーだったニッポン人の姿が浮かぶ。

 

f:id:tomii23:20210113162722j:plain


だから「がんばれ!」とくれば、続くのはやはりニッポンなのだろう。そんな声援あふれるはずの東京五輪も、相次ぐトラブルと新型コロナ禍でゴタゴタのままに開催。

人が3人寄れば社会が生まれ、人の口が3つ寄れば評判が立つ。「品」という字はよくできている。「しな」と読んでいろいろな物を、「ひん」と読んで物の等級や人柄を表す。物の値打ちも人柄の尊卑も決めるのは他人の口、つまり評判である。

それにしても品のない与党の政治家たちが目につく。「反日が五輪反対」とほざいていた安倍前首相は、雲行きが怪しくなればサッサと五輪の開会式の出席ををキャンセル。それも前日の鞍替え発表だった。

飲食店いじめに強硬な態度を示した西村大臣も、影で糸を引く菅首相にあっさりとしらを切られ、持ち前のチャラさが露呈した。その強行ぶりを見て見ぬ振りしていたのが麻生氏。この人って副首相だったと思うけど。もはや品がないとかの次元ではなく、無知な者たちの集まりになってきた。