日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「おひや」は水だが「ひや」は酒

『食味風々録』にて作家・阿川弘之さんいわく、<「にぎり」と「おにぎり」は別物>であり、<「おひや」を頼めば水がくる。「ひや」を頼めば酒がくる>のだと。 日本語は奥が深くむずかしい。指す品が「お」の字ひとつで変わり、人を愉快にも不愉快にもする。 また、…

「縁の下の力持ち」は好奇心

舞台の裏手で、楽屋のある場所や大道具置き場を「舞台裏」という。一般人にはわからない裏事情との意味にもこの言葉は使われる。 舞台裏でがんばる「縁の下の力持ち」は、元々「縁の下の舞」といわれ、甲斐のない“無駄な努力”の喩えだった、という説もある。 哲学…

ビッグデータは利益を極大化?

目と民から成る文字は「眠」である。吉野弘さんの詩『「目」の見方』にある。<民の目は眠くて/罠の中>と。目が眠りこけて横たわれば「罠」に変わるらしい。 手作りの零戦に対し、米国の戦闘機は大量生産品だった。 終戦の四半世紀後、大阪万博で<日本は規格大…

みじかびを楽しく働くサイズ

1969年に放送された万年筆のテレビCMがウケにウケた。<みじかびのきゃぷりきとればすぎちょびれすぎかきすらのはっぱふみふみ>。 用意された台本がつまらないから、即興で詠んだ歌だという。大橋巨泉さんである。短歌のあとにはひと言、「わかるネ」・…

「ストロング」の強みは割安感

昨年あたりから、家でビールを飲まなくなっている。外で飲むときは、最初に(お約束の)生ビールを飲むが、2杯目からは(飲み仲間とともに)別のものに切り替わる。とはいえ、私の財布のエンゲル係数は、酒類が大部分を占めていることにまちがいない。 明治の頃…

写真を撮るためのレコード店

アナログレコードの人気が若い世代を中心に復活しているらしい。昨日の読売新聞記事によれば、デジタル音源とちがう温かみのある音質で、“モノ”としての実感が良いという。 1970年代後半に最盛期だったレコードの国内生産枚数は年間約2億枚。しかし、8…

道を行く人々の顔は果たして

落語の枕などで聴く小咄である。 韋駄天(いだてん)と称される男が駆けていく。「泥棒を追いかけている」というが、逃げる泥棒は見あたらない。すでに追い抜いてしまい、その姿ははるかうしろにあったそうな。 物事、速く走ればいいというものでもないらしい。…

相手の表情をうかがう作法?

1983年6月の公開だというから、もう34年も前の映画ということになる。森田芳光監督で主演は松田優作さん。『家族ゲーム』という映画である。 家族が心から向き合うことを避けて暮らしていることを表現するため、(一家が)細長い食卓で横一列になって食事…

飾らず手軽に読める文学全集

“文学全集”が飛ぶように売れた時代があったそうだ。その元祖は“円本(えんぽん)”と呼ばれるシリーズ本であり、1926年に出た『現代日本文学全集』(改造社)がきっかけになり、1冊1円の手軽さで人気を博した。 また、戦後の1952年には角川書店が『昭和…

サルトル・マルクス・讃美歌

先日、何気なく観たテレビの歌番組で、ミュージシャン・俳優の竹原ピストルさんが耳馴染みの曲を熱く歌い上げていた。それは、昨冬のライブから竹原さんが歌い続けている楽曲なのだという。 18世紀後半に作られ、世界中で慕われ愛唱されている讃美歌『アメ…