日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

「ドーデモイイ」という解決法

 

“言葉”は二義ということがよくある。たとえば、「何とも変わらない生来の性質」と「物事をやり通すたくましい精神」。“根性”のことである。後者の方ではものすごいヤツがいる。カタツムリの角(触覚部分)に入り込み、催眠術のように操る寄生虫がいるという。

ロイコクロリディウムという名前らしいが、湿った日陰で暮らすカタツムリが感染すると、正気を失ったように葉の表に出てくる。取り憑いたカタツムリが鳥に食べられるのが目的で、その鳥に寄生して腸内で繁殖する。

人間も、根性を試されたり鍛えられることがある。日清食品ホールディングスでは、新任管理職の“サバイバル研修”があるとか。無人島で2泊3日の野宿に臨み、電気も水道もない島でどう生きていくか・・・課題解決の力が問われる。

電力各社は配電部門に配属される新入社員に、高さ10メートルを超える電柱を登らせる。高所作業に慣れるために欠かせない訓練だという。

 

 

この研修は今も行われているのか、JR西日本山陽新幹線のトンネル内で走行車両の風圧を体感させる研修があった、という。最高時速が300キロに及ぶ車両が、作業用通路にしゃがんだ社員のそばを通過していくというから恐ろしい。

何とも変わらない生来の性質、という意味での“根性”は、マスコミ報道でネタの尽きることがない。

さて、ブランデーの「ナポレオン」は銘柄ではなく熟成度合いを示す符号だとか。名前の由来のひとつに、皇帝ナポレオンがラベルに自分の肖像の使用を許すほど、この酒を愛したそうな。

ラベルの不思議さで、群馬で見つかった酒も大きな話題になった。「政治とカネ」の問題で経済産業相を2014年に辞任した自民党小渕優子衆院議員の事務所が、地元男性にワインを贈ったという事件である。

白のボトルには笑みをたたえた顔写真、赤には全身を映す写真があしらわれたもの。ナポレオンの如く、議員自身が許しを与えていたはずだ。

 

 

この25日に辞任した菅原一秀経済産業相は、選挙区で香典などを渡していたとする公職選挙法違反疑惑が報じられた。何年たっても“変わらない生来の性質”である。

物理学者・寺田寅彦さんいわく<ある問題に対してドーデモイイという解決法のある事に気の付かぬ人がある。 何事でもただ一つしか正しい道がないと思っているから>と。

麻生さんが首相の頃、毎晩ホテルの“高級バー”に通っていることが庶民感覚にそぐわないと、問題にされた。これも解決法「ドーデモイイ」である。要は国民本位の政策が立案、実行できるかが問題。麻生氏は国民に支持されず、まもなく党も野党へ陥落。

庶民感覚という言葉もあやふやだ。当時、衆院選自民党から当選した新人議員が、「給料は2500万円、議員宿舎は3LDKですよ」とはしゃいでひんしゅくを買った。

所得と住居で庶民感覚に合致した国会議員など一人もいないのに、ドーデモイイところを気にするのが、庶民なのか。