日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

若しもの将来 起こりうること

<何となく何物かに押されつつ、ずるずると>。これは驚くべき事態だ、と。敗戦直後、政治学者・丸山真男さんは、論文を執筆した。 どのようにして、戦前の日本が先の戦争に突入していったのか。ナチスの指導者は開戦への決断をはっきり意識していたに違いな…

よくある噴飯モノのできごと

その昔、小学校で先生から「ひとの嫌がることを進んでしなさい」と児童が教わった。日本語はむずかしい。ある男の子は、女の子の嫌がることをしながら歩いたという。 数年前の文化庁「国語に関する世論調査」では、“噴飯モノ”を「腹立たしくて仕方ないこと」と誤解…

スマホ発信によるビッグデータ

目が覚めたら有名人になっていた。38年前に刊行された筒井康隆さんの小説『おれに関する噂』である。 ある会社員の情報が世の中へ筒抜けになってしまう。女子社員をお茶に誘ったことが翌日には、日本中で話題になるといった具合に。 自分の情報が知らないと…

異端者だから成し遂げられる

作詞家の創意や意図に、前から興味が強い。自然に生まれたようなフレーズにも、隠されている秘密があるように思うからだ。 童謡の『ゆりかごのうた』(詞・北原白秋さん)に“黄色”を感じるという説がある。 <ゆりかごのうたを カナリヤが歌うよ・・・>。 そ…

消える日本語が映す今の時代

1901年(明治34年)の冬に柳田国男さんが信濃路を旅した際、車屋が「とても寒い」と語るのを聞き、飛び上がるほど驚いたという。 “とても…できない”のような否定形を伴わない“とても”に、柳田さんは初めて出会ったという。でも今は「とても寒い」がふつうに…

あとを絶たぬサバ読む者たち

たとえば、数学が好きなら金融業界へ。国語が好きなら作家、編集者、書店員に。村上龍さんの『新13歳のハローワーク』がおもしろい。 好きな教科を入り口に、自分の向いている職業を探す趣向である。道徳の授業が好きな13歳向けには、弁護士、裁判官、検…

半世紀前のSF映画が現実化

外出先のコンビニでビールを買うことがよくある。その都度、タッチパネルで年齢確認を求められるが、いまだに慣れない。生まれて半世紀以上になる人間を見て、未成年とまちがえることもあるまいに。 どなたかのコラムでは、<想像以上に若く見られているのか…

難しいことはわかりやすく

何年ぶりであろうか。“数独”にすごく凝っている。脳トレに最適なような気がするからだ。 数独とは、「数字は独身に限る」の略だという。パズルの一種で、9列9段のマス目を3列3段のブロックに分け、各列・各段・各ブロックに1から9までの数字を重複しないよ…

鑑賞よりも感賞の確率に興味

作家の感性はおもしろい。 <あくびを するとき ネコのかおは花のようになります>。まど・みちおさんの詩『ネコ』の一節である。 小さな口を開け、目鼻がグシャッとなるネコのあくびは、ダリアやバラに見えなくもない。 凛として美しいキキョウ(桔梗)のなか…

グローバル時代のアリジゴク

ふだん何気なく使う言葉には、歴史の重みの潜むものもあるという。「感謝感激、雨あられ」は、日露戦争が題材で筑前琵琶の一節で「乱射乱撃・・・」のもじりだという。 「この際だから」は、関東大震災直後の流行語らしい。東日本大震災後、明かりの減った街路を歩…