日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

テレワークの普及は餌食なり


東京と熱海(静岡)の間に電話回線が設けられのは、約130年前らしい。一般加入者の募集のために、政府は財界人及び著名人を800人ほど招待して実体験を行ったそうな。

その効果は抜群で、離れた場所からの声がはっきりと聞こえる。その宣伝は大成功かと思いきや、思いもよらぬ意見が飛び交った。

「これほどまでにハッキリと通話を媒介するのなら、コレラ菌も広がるはずなので怖い」とだれかが言い出したことで、失敗のきっかけになった。

当時はコレラが流行していたこともあり、結局わずかな申し込みで終わったという。

 

f:id:tomii23:20210407140420j:plain

 

将棋の実力制第四代名人の升田幸三さんが十四世名人の木村義雄さんと指した際、窮地に立った升田さんは(盤面でなく)木村さんの息遣いに目を凝らした。

息を吐こうとした瞬間、バシッと駒を打つ。すると木村さんはハッとするわけだ・・・と。升田さんはそれを繰り返すうちに木村さんが乱れて、逆転勝ちをした

<息を吸うときは、無意識のうちに全身を緊張させるが、吐くときは逆に弛緩する。その虚をつくと、動揺が大きい>。隙が生まれやすいのは、“吸う”ではなく“吐く”ときらしい。

今や主流ともいえるデルタ株のコロナウイルスは、従来の飛沫感染から空気感染へと大きく変わっている。

気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体をエアロゾル(aerosol)と言い、もはやアクリル板も通用しなくなっている。

気体中だとピンとこないが、禁煙中の部屋でだれかがタバコを吸って吐き出す煙を想像すればわかりやすい。タバコを吸う人を陽性者にたとえるなら、どれだけの人が感染するか、という確率がハッキリする。

 

f:id:tomii23:20210407141617j:plain

 

昨年初めのころまでは“ウイルス”と聞けば、パソコンやスマホの話かと思ったもの。それがいまや、現実空間に浮かぶ目に見えぬあの球体を思い浮かべるようになった。

政府や自治体ではテレワークの普及を促せ続けているが、インターネット上で悪事をたくらむ者にとっては願ってもないチャンスになるかもしれない。

会社のシステムがいかに強靱であろうが、外からつながるパソコンの数が増えれば増えるほどリスクが高まるのは当然。ウイルスに感染させて内部へとさかのぼり、情報を狙うわけだ。

機材も心構えも十分理解できずに、あわてて始める駆け込みのテレワークを、ネットに潜む犯罪者グループたちは手ぐすね引いて待ち構えるはず。それこそがなによりの餌食なのだから。