日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

ともかくもあなた任せの・・

 

地球を直径10センチのりんごに喩えてみる。そして、人が(地球上で)到達できる範囲で、最も高い所をエベレストとすれば0~9千メートルであろうか。それをりんごの皮の厚さに換算してみれば、0.07ミリメートルだという。皮をむけないくらいの薄さである。

太陽系の惑星で、ほんの表層に生きる極小な存在が、我が人類なのか。なにかで読んだ話だが、年末になるとこういうことをよく考える。

「数え日」という言葉は、年の暮れに残りの日数が少なくなることをいう。もういくつ寝るとお正月・・・と、指折り心を弾ます子どもたち。あれもこれもしなければ・・・と、日を数えながら追い立てられるのは大人のほうである。

「数え日」で混み合う店先。商店街の風景をテレビで見かける。また年の瀬を迎えたという実感が好きだ。

  

 

そんな年の瀬にもう少し浸っていたいが、大晦日は早足でやってくる。時計を見やりつつ過ごす習わしに「年惜しむ」という季語がある。一刻一刻を名残惜しく見送り、深夜零時に魔法が解ける。それを憂える気持ちのあることは、幼い頃から変わらない。

本年は、平成の最終年で新年を迎え令和元年の大晦日で暮れる。元号のまたがる年は“昭和→平成”のときと2度目の体験であるが、30年ぶりのこと。

さて、元号にもニックネームがあるそうな。「明治ハイカラ」、「大正モダン」、「昭和元禄」などである。戦争のあった昭和だが、戦後の高度成長期や生活を享受する空気を皮肉まじりに“元禄”と表現されたのだろう。

イカラな明治も、<上からは明治だなどといふけれど「治まるめい(明)」と下からはよむ>などと改元を皮肉った落首もある。

平成に似合うニックネームはなにか? 私には浮かぶものがない。昭和みたいな経済成長は見込めず、高齢社会や人口減。食べることには困らないが先行きの不安は消えない。

 

 

ポーランドのなぞなぞらしい。<おじいさんとおばあさんを作ったのは誰?>。その答えは「孫」。赤ちゃんが生まれて、祖父母ができる。

2019年に生まれた日本人の子どもの数が86万4000人。90万人を割り込むのは1899年の統計開始以来初めて。高齢者人口は増加中。その内で祖父母になりきれないケースの人はどれだけいるのか。国内人口減少の問題は、平成が序章であって令和でもっと深刻化していく。

年をまたぐこの日はあれこれ考えるが、結局 呑んで酔っ払っている。季語には「熱燗」や「玉子酒」もある。子どもの頃は甘酒が大好きで、すりおろしたショウガの風味が懐かしい。

有名な話だが「甘酒」は夏の季語。江戸時代、栄養豊富なため暑気払いに飲まれ、行商の甘酒売りが夏の風物詩だった。後にこんな俳句もあった。<歳時記に異議あり甘酒は絶対冬>(小寺勇さん)。

本年もあと数時間。<ともかくもあなた任せのとしの暮>(小林一茶)。皆さまも良いお年をお迎え下さい。飲み過ぎや風邪引きにもご注意下さい。<(_ _)>"ハハーッ