日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

2017-01-01から1年間の記事一覧

うまくいかない画像サイズに

たまの読書も、紙媒体ではなくなったせいなのか。 以前、よくあった製本の際の切り損ね。買った本を開いて、余分な紙を折り畳んだ不体裁なページを見つけたことが懐かしい。 裁断ミスのページは「福紙」または「恵比須紙」と呼ばれたらしい。それは、陰暦10月…

「好き嫌い」の感情と体内時計

今年のノーベル医学生理学賞は、米国のジェフリー・ホールさん、マイケル・ロスバッシュさん、マイケル・ヤングさんの3氏に贈られる。業績は「概日リズムをつかさどる分子的な仕組みの解明」だ。 私はノーベル賞なるものに興味がなかった。しかし、今回のこの賞はと…

ネットの情報量に対抗する質

何十年も気がつかないことがある。<空をこえて ラララ 星のかなた・・・♪>。『鉄腕アトム』の歌詞を書いたのは、(なんと!)詩人・谷川俊太郎さんであった。恥ずかしながら、そのことを知ったのは本日の数分前。 谷川さんは85歳で創作生活67年。詩だけ…

どこで観ても映画は映画なり

数字で表す“視聴率”とは別に、どれだけ熱心に番組が観られ、視聴者の心に深く残ったかを示す指標を「視聴質」というそうだ。 多くの人がどれほどテレビ番組を観たか、という視聴率に代わるのが視聴質である。 どのように番組がおもしろがられているかを評価す…

演出の巨匠たちは素顔がいい

<大事なことはたいてい面倒くさい>。宮﨑駿さんの名言だという。 「創りながらテーマを見つける」、「台本がない」、「少しずつ創っていく」などと、宮崎監督独特の創作法もあるらしい。 そして創作中、宮崎監督から頻繁に出てくる言葉が「面倒くさい」。途方もな…

イマジネーションを自由操作

人類の祖先が芸術創造の才能を開花させたのは、(約4万~1万4500年前の)後期旧石器時代で、場所は欧州の洞窟らしい。ランプの薄明かりを頼りに、石器や絵の具にて壁面へ動物や人を描いた。 その洞窟壁画が初めて発見されたのは、1879年のスペイン北…

からだの仕組みは誰もが同じ

交際中の異性がいない日本の男性が7割で、女性は6割なのだという。 国立社会保障・人口問題研究所によると、1987年の調査以来で過去最高とのこと。調査は5年に1回の実施で、このデータは一昨年6月のものである。 全国の独身者約8700人から回答…

脳には脳の選ぶ道があるのか

“モノ”をインターネットでつなげるIoT(Internet of Things)。 アシストスーツを着て重い荷物を軽々と運ぶ人。農地では無人の耕作機械が動き、建設現場にドローンが飛び交う。そして、自動運転の車。 この先、人工知能の活用で“仕事や暮ら…

魚屋のネコの如く盗らぬこと

正面に北の富士勝昭さん、向正面は舞の海秀平さん。お二人は、NHK大相撲中継で大人気の幕内解説コンビである。とくに北の富士さんのお話は、わかりやすくておもしろい。 2015年夏場所10日目、横綱・日馬富士戦で初金星を手にした平幕の臥牙丸は、イ…

無駄が粋でも若者言葉は省略

毒蝮三太夫さんは、永六輔さんがラジオの魅力を教えてくれた大恩人、と敬う。 1933年(昭和8年)東京生まれの永さんは、タレントや放送作家として活躍する一方、『上を向いて歩こう』などのヒット曲の作詞や、60年代後半からラジオで主に活動した。 音…

“為す人”達の好奇心と探究心

珍しいこと、未知のことなどに興味をもつ心が“好奇心”であるのなら、物事に深い知識を得たり原因を解明しよう、という気持ちのことを“探究心”という。 このふたつのこころは連係が深く、貫く人の意志は強い。 司馬遼太郎さんは中学1年の思い出を『随想集風…

生真面目なるサラリーマンは

昭和の時代を思い浮かべると、あくせく働くサラリーマンがいる。その家庭風景は、家にモノが増えるよろこびに満ちていた。 電化製品、家具、すしの出前や車。どれも新しいモノばかりで新鮮だ。高価で手が届かないはずの車や、カラーテレビ、パソコンも、いつの…

いつもと同じに去りゆくナツ

ツクツクボウシの鳴き声が、夕暮れ時の蝉時雨に引き立つ。そのメランコリックな調べに、ゆく夏を感じる。 だいぶ前から、道でひとつ、ふたつと、セミの亡骸を目にする。声を使い切り、地を這う力も尽きたように見える。 セミに比べると、テントウムシは長生…

目が離せないAIと配信革命

AI(人工知能)ブームは、今までに2度起きているという。 1回目は、1950年代半ばから60年代。コンピューターの発明から10年ほどで、今のスマートフォンと比べものにならない貧弱な計算能力だった。 2回目は80年代から90年代で、製造、医学な…

名酒の名酒ぶりを知るために

わかりやすい体験談に感銘を受ける。 <暗い夜をくぐり抜けてきた人は、ともしびの明るさが胸にしみる>という。 1970年に「東京空襲を記録する会」を結成した、作家・早乙女勝元さんの体験だ。敗戦の夏に平和を実感したのは“灯火管制の解除”であり、「平和…

念願のコンサートは感動の渦

一昨日、長年の夢であったコンサートに行くことが叶った。 夏になると聴きたくなる音楽であり、本能的に聴いてしまう音楽でもある。それはベンチャーズ。 クロマチック・ランこと“テケテケ”サウンド。あの奏法が、たまらない涼しさを運んでくれる。会場は往…

団塊しらけプレッシャーゆとり

“団塊世代”は、第二次世界大戦直後の1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれ、日本の高度経済成長、バブル景気を経験。第一次ベビーブームの3年間の合計出生数は約806万人だという。 その後は“しらけ世代”と呼ばれ、日本の学生運動が下火に…

口に関する下世話事あれこれ

「口が減らぬ」は、口達者で理屈を並べて言い返したり、勝手なことを遠慮なくしゃべったりするさま。私は、同性よりも異性との会話でこのケースによくなる。お笑いの感覚なので、言い合ったあとはスッキリ感がある。「口ずさむ」ような会話が楽しめればいいと思…

頭ではなく体で判断する時間

日本には二つの時刻制度が併存したという。 明治5年に新橋~横浜間に鉄道が開業してしばらく、鉄道は分単位で運行されたが、当時の人たちはまだ、一時“いっとき”(2時間)とか半時“はんとき”と、時間を数えていたそうだ。そして、日本人による最小単位の時間…

悩ましき判断は先送りになる

昨年7月に亡くなられた永六輔さんは、草創期のテレビ人である。しかし、1966年にテレビのヒットバラエティ番組『夢であいましょう』が終了すると、活躍の場をラジオに求め、翌年の1967年には『誰かとどこかで』がスタートした。 <テレビに出れば有…

今日の夕日は明日の昔なりき

<昨日は今日の古(いにし)へ 今日は明日の昔>。室町時代の歌謡集『閑吟集』の一編だという。 時の歩みは速い。今日から見ると、昨日は遠い過去になり、明日から見れば、今日は遥かな昔・・・なのだと。 日が沈むと、その日の終りを肌で感じる。 「映画ではシ…

テレビ新時代幕開けのはずが

<闇市ぐらい撮影に金がかかるものはない>と言ったのは、演出家・鴨下信一さんだという。明治の鹿鳴館や江戸の大奥でもなく、闇市が映画やドラマのセットで最も高くつくそうだ。 たばこ巻き器、魚の皮の革靴、鉄兜をつぶした鍋などを撮影用につくればとても…

「おひや」は水だが「ひや」は酒

『食味風々録』にて作家・阿川弘之さんいわく、<「にぎり」と「おにぎり」は別物>であり、<「おひや」を頼めば水がくる。「ひや」を頼めば酒がくる>のだと。 日本語は奥が深くむずかしい。指す品が「お」の字ひとつで変わり、人を愉快にも不愉快にもする。 また、…

「縁の下の力持ち」は好奇心

舞台の裏手で、楽屋のある場所や大道具置き場を「舞台裏」という。一般人にはわからない裏事情との意味にもこの言葉は使われる。 舞台裏でがんばる「縁の下の力持ち」は、元々「縁の下の舞」といわれ、甲斐のない“無駄な努力”の喩えだった、という説もある。 哲学…

ビッグデータは利益を極大化?

目と民から成る文字は「眠」である。吉野弘さんの詩『「目」の見方』にある。<民の目は眠くて/罠の中>と。目が眠りこけて横たわれば「罠」に変わるらしい。 手作りの零戦に対し、米国の戦闘機は大量生産品だった。 終戦の四半世紀後、大阪万博で<日本は規格大…

みじかびを楽しく働くサイズ

1969年に放送された万年筆のテレビCMがウケにウケた。<みじかびのきゃぷりきとればすぎちょびれすぎかきすらのはっぱふみふみ>。 用意された台本がつまらないから、即興で詠んだ歌だという。大橋巨泉さんである。短歌のあとにはひと言、「わかるネ」・…

「ストロング」の強みは割安感

昨年あたりから、家でビールを飲まなくなっている。外で飲むときは、最初に(お約束の)生ビールを飲むが、2杯目からは(飲み仲間とともに)別のものに切り替わる。とはいえ、私の財布のエンゲル係数は、酒類が大部分を占めていることにまちがいない。 明治の頃…

写真を撮るためのレコード店

アナログレコードの人気が若い世代を中心に復活しているらしい。昨日の読売新聞記事によれば、デジタル音源とちがう温かみのある音質で、“モノ”としての実感が良いという。 1970年代後半に最盛期だったレコードの国内生産枚数は年間約2億枚。しかし、8…

道を行く人々の顔は果たして

落語の枕などで聴く小咄である。 韋駄天(いだてん)と称される男が駆けていく。「泥棒を追いかけている」というが、逃げる泥棒は見あたらない。すでに追い抜いてしまい、その姿ははるかうしろにあったそうな。 物事、速く走ればいいというものでもないらしい。…

相手の表情をうかがう作法?

1983年6月の公開だというから、もう34年も前の映画ということになる。森田芳光監督で主演は松田優作さん。『家族ゲーム』という映画である。 家族が心から向き合うことを避けて暮らしていることを表現するため、(一家が)細長い食卓で横一列になって食事…