日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

念願のコンサートは感動の渦

 

一昨日、長年の夢であったコンサートに行くことが叶った。

夏になると聴きたくなる音楽であり、本能的に聴いてしまう音楽でもある。
それはベンチャーズ

クロマチック・ランこと“テケテケ”サウンド。あの奏法が、たまらない涼しさを運んでくれる。
会場は往年のファンで満員だった。私の隣の席には若いカップルもいたが。

リードギターリズムギター(サイドではなくあえてこう呼ぶ)、ベースギター、ドラムス。
理屈のないサウンド構成のシンプルさがたまらない。

“エレキ”ブームの発端はベンチャーズで、彼らの曲をコピーしたインストゥルメントのエレキバンドも何度か聴きに行っていた。

私の場合、ビートルズよりベンチャーズの方こそ“好感度のインパクト”が強い。初めて聴いたエレキギターとあの盛り上がる楽曲。今も聴いているが飽きない。

 

1909

 

結成メンバーは、ドン・ウィルソンさん(リズムギター)と、ボブ・ボーグルさん(ベース、初代リードギター)のふたりで、リードギターリズムギターのデュオとしての活動だった。

思い浮かぶいくつかのバンド名はすでに使われていたため、ドンさんの母親の提案で「ザ・ベンチャーズ」と名乗るようになった。

結成メンバーでリーダーのドン・ウィルソンさんは、2015年でベンチャーズのツアーを引退。日本では長く人気を保ち、来日回数は60回を超え、(日本での)公演回数も2,600回を越えた。

半世紀以上の活動で、メンバーだったボブ・ボーグルさん、メル・テイラーさん(ドラムス)はこの世を去った。今では、かつてのメンバーの二世がメンバーとして活躍している。

メルさんの息子、リオン・テイラーさんのドラムスを堪能できた。そして、昨年からボブ・スポルディングさんの息子、イアンさんもベンチャーズでベースを担当している。

 

1910

 

コンサートでは、日本にお馴染みの曲も必ず演奏してくれる。

『京都の恋』(原題はEXPO ‘70)、『ブラック・サンド・ビーチ』(加山雄三さんの曲)、『二人の銀座』、『北国の青い空』、『京都慕情』、『雨の御堂筋』などと、歌謡曲の作曲家としても注目され、それらは“ベンチャーズ歌謡”と呼ばれた。

その原点は、ジェリー・マギーさん(リードギター・ベース)の幅広い音楽性が作用しているとも言われている。今回のコンサートでもすばらしい演奏を披露していただいた。

二世であるリオンさんの、素晴らしいドラミングも圧巻であった。彼のプレイで始まる『キャラバン』では、父親のメルさんに負けず劣らずのソロ・パートで楽しませてくれた。
父親の来日回数は26回だが、リオンさんはそれを10数回もオーバーしている。

ベンチャーズは米国のバンドではあるものの、インストゥルメンタル主体のバンドであるため、言語の壁を乗り越え、その明快な楽曲が各国で受け入れられた。

日本におけるレコード等の総売上は4000万枚を超え、米国以上に日本のポップスシーンへ影響を及ぼした。

私は、待ちに待った(本家の)生演奏で、(脳ではなく)からだが勝手に感動していた。
今までにない体験であり、“音を楽しむ”ための「音楽」に出会えたことに感謝である。