日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

脳には脳の選ぶ道があるのか

 

“モノ”をインターネットでつなげるIoT(Internet of Things)。

アシストスーツを着て重い荷物を軽々と運ぶ人。農地では無人の耕作機械が動き、建設現場にドローンが飛び交う。そして、自動運転の車。

この先、人工知能の活用で“仕事や暮らしは大きく変わる”との未来図らしい。

2017年・上半期放送のNHK朝ドラ『ひよっこ』では、出回るモノがまだまだ少なくて素朴な時代だ。東京オリンピック大阪万博の時代が、やけに落ち着ける。

足のしぐさは嘘をつかないなどと、人間の脳や心理に関する喩えに、足の話が出てくる。
足は人の体の部位の中で、本能に直結するらしい。それは、言語など脳の思考系統ではなく、本能をつかさどる部分の命令に、より忠実に動くため・・・だとか。

 

1925

 

言葉の響きで“粋”に感じることがある。人工知能はどう感知するのだろうか。

かつて、下町の鮨(すし)屋ではこういう会話があったとか。
「刺し身を切りますか?」
「握りがいい。つけてくれ」

職人はゆっくりと鮨を握り始める。鮨屋では“握る”ことを「つける」というらしい。
その語源は、江戸前鮨の原形である「なれずし」が魚と飯を桶に“漬けて”作ることに由来しているそうな。

本来、鮨は握るものではなくつけるものであり、職人が鮨を握るカウンターの内側は「つけ場」なのだ。なんだかとても“粋”に思えてくる。

 

1926

 

2014年9月に清酒大手の月桂冠ノンアルコール飲料月桂冠フリー」を発売した。
開発に要した時間は中断期間を含めて約12年という。

初期では、麹と酒かすを原料に使った上でアルコール分を抜く“引き算”を試みたが、甘酒のような味にしかならなかったとのこと。

そこで、水あめや食物繊維などを組み合わせて、本物に近づける“足し算”をしてみたら、7割の人が日本酒らしい味だと評価したとのこと。減点を恐れず新しいことに挑戦する“足し算”の発想を大切にした結果だろう。

とはいえ、その後の奮闘ぶりをネット検索してみたら、「無理やり日本酒の味に似せて作ったただの特殊な水。飲んだ人の脳みそを騙しているだけじゃないの?」などの意見もあった。ノンアルコールのビールにしても、“脳みそを騙す”コンセプトに違いはないような気もするが。

脳にも排泄の機能があるようで、都合の悪いことは記憶にない。私の場合、記憶があっても上書き消去をしてしまうのかもしれないが。

用事や旅の遠出で、帰宅してから「しまった!」と思うことがよくある。空き時間に足を少しのばせば、近くに景勝の地や有名な飲食店があったり・・・と。

とはいえ、「しまった!」はすぐに「それでもいいか」に変わる。もう一度そこへ訪れるチャンスが得られたようで、いつ実現するとも知れない再訪の旅を心待ちにできるからである。

人工知能にできない「しまった!」の脳があればこそ、人間は“粋”で“情緒”を楽しめたりできるのではないのか。なんだか、人工知能を“上から目線”で見られるような気がしてくる。