団塊しらけプレッシャーゆとり
“団塊世代”は、第二次世界大戦直後の1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれ、日本の高度経済成長、バブル景気を経験。第一次ベビーブームの3年間の合計出生数は約806万人だという。
その後は“しらけ世代”と呼ばれ、日本の学生運動が下火になった時期に成人を迎えた。
政治的無関心が広まった世代で、何においても熱くなりきれずに興が冷めた傍観者のように振る舞う世代だ。私もこの世代であるが、この世代名を気に入っている。
そして今、とても親近感があるのは“ゆとり世代”である。
小・中学校での教育内容が改正されたのは、2002年度から2010年度までらしい。1987年から1996年生まれまでの9年間を“ゆとり世代”とすることが多いとのこと。年齢的には30歳~21歳ぐらいの人を指す
指示待ち人間で、自分から動こうとしない。怒られることに慣れていなくてストレス耐性が低い。プライベートを優先し、会社の飲み会などに参加しない。
こういう特徴も、なぜか憎めない。
世界各地で行われる学習到達度調査(PISA)の結果では、2000年度の調査で日本は計算力が1位、読解力は8位という結果。2003年度の調査では、計算力が6位、読解力は14位まで低下したらしい。
バブル崩壊後の時代に子ども時代を過ごし、親のリストラなどを目の当たりにしてきたゆとり世代は、会社に対して夢も希望も持たない。会社で偉くなることより、自分のやりたいことをやる方が重要だという。自分の一生を思えば、しらけ世代の私も同感である。
ゆとり世代は、自分で考えることが苦手。マニュアル世代であり、マニュアルに書いていないことは想像することもできないとか。もちろん、個人差はあるはずだ。
自分の意見を主張するより、その意見が正解かどうかを気にする。自分からは行動しないし、自分で答えを考えるということもしないとか。とはいえ、自分に必要な答えなら、考えるに決っていると思うが。
2013年の流行語大賞には、“さとり世代”が選ばれたという。
<ゆとりには差別的な響きがある>とのことで、大人たちが勝手に作った“ゆとり”によって、自分たちがさげすまれることへの反発から生まれた言葉らしい。
(年齢的には23歳前後で)1994年前後の世代の人たちに対して言うことが多いようである。物欲がなく浪費をしない。結果を重視して合理的に動く。休みの日は自宅で穏やかに過ごすことが多いなどの特徴らしいが、やはり個人差はあるだろう。
“さとり世代”にとっての豊かさは、物質的なものではなく精神的なものへのシフトなのだ。
“ゆとり世代”の前の、1982年から1987年生まれの人たちは、“プレッシャー世代”と呼ばれるとか。年齢的には35歳~30歳ぐらいまでだというから、うちの息子たちくらいだ。
様々なプレッシャーと戦ってきながらも、「それが当然」という意識が強く、ここ一番に力を発揮できるという。“団塊世代”に近い特徴があるように感じる。
ゆとり世代と同様にバブル崩壊後の社会しか知らない世代だが、悲壮観や、ゆとり世代ほどの危機感もなく、ありのままを受け入れ、力強く生きている世代である。今の日本で一番の働き手ともいえる世代であろう。
若い人と話をしてみると同世代どうしで、世代間のちがいをよく耳にする。私がその年代のとき、(団塊世代の上で)“戦前世代”の方たちとよく飲み教わった。近い世代を飛び越えたお付き合いは、実に楽しいものだったのである。