日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

事件・報道

便利な機能も使い方次第では

習字の練習をするので、家から新聞を持ってくるようにと先生が話したら、新聞を家で購読していない子がいた。最近は、新聞を読んでいない若者が珍しくない。その延長で、結婚して子どもが生まれても、新聞のない生活を続ける人はいるのだろう・・・と。 今か…

気になる話を集めてつなげば

<気に食わぬ奴を寄せつけないでおく便宜の一部を放棄せざるを得ぬ悪魔の発明品>。なんだか小難しいが、“電話”の説明らしい。ブラックユーモア溢れる解釈で、様々な言葉を定義したA・ビアスの『悪魔の辞典』にある。 もし、LINEの既読スルーで右往左往…

砂時計を置きたい気分の時は

<部屋には時計でなく、砂時計を置きたい>。ドイツの作家ユンガーさんの『砂時計の書』にあった。静かで安らかな気持ちになれるから。機械時計にしばられない贅沢は、時計が生活に入り込んでいなかった遠い昔へのあこがれなのか。 1日が24時間なのは当た…

視覚もさることながら聴覚も

視覚から得られる情報量の割合は約87%だという説がある。次は聴覚が7%、触覚3%、嗅覚2%、味覚1%の順らしい。とはいえ、音の記憶も侮れない。 私は長時間のパソコン作業中、同時にテレビドラマや映画をたくさん視聴している。テレビ画面への視覚が…

スキャンダルと掛け何と解く

身寄りのない人が他界して所持していた現金。引き取り手がなく、自治体が保管している分を“遺留金”という。昨年4月に朝日新聞は調査で、政令指定都市と東京23区に尋ねた。その筆頭は大阪市の約7億2200万円であり、39自治体で計約11億4200万…

成人になりきれない或る一族

<成人とは人に成ること もしそうなら 私たちはみな日々成人の日を生きている>。谷川俊太郎さんの詩『成人の日に』である。大人になるための条件として、詩は続く。<他人のうちに自分と同じ美しさをみとめ 自分のうちに他人と同じ醜さをみとめ・・・>と。…

10年前の同月同日も同記事が

2013年9月、映画『そして父になる』は初日2日間で興収3億1319万円、動員数25万3300人で、映画観客動員ランキングで初登場第1位となった。 主演の福山雅治さんが初の父親役。その妻には尾野真千子さん。かたや、リリー・フランキーさんと真木…

放火ほど容易ではない「消化」

ブログネタに窮すると、一年前で同時期のスクラップ記事を読み返すことがある。一年前にこんなことがあったのか、と忘れかけているものは多い。しかし今は、一年前のニュースがピッタリと重なり、逆に驚いている。もちろん、森友学園騒動のことである。 19…

金銭と道連れの長い旅なのか

1956年、鉄腕の稲尾和久さんは高校球界から西鉄ライオンズに入団した。生まれて初めて(契約の席で)千円札を見た。五千円札や一万円札が登場する前の時代であった。 自宅の畳の上に50万円の契約金を積んだとき、横にいた母親が消えた。引っ繰り返り、気…

事実とは落語よりも奇怪なり

この秋スタートのテレビ番組はなかなかおもしろい。 その中で異彩を放つのが『超入門!落語 THE MOVIE』(NHK)である。プロ落語家の口演に合わせ、俳優が当てぶりと口パクで物語の世界観を映像化するものだ。 その発端は、BSプレミアムで昨年1…

四字熟語が逆さに替わり納得

作家・水上勉さんの小説『飢餓海峡』にあった。<木蔭で陽当りがわるいから、茸(きのこ)が生えている>。(本州最北部の貧しい村にある)粗末な家の屋根の描写である。 松茸などがありがたがられる一方で、じめじめした場所に育つ陰の生き物という印象がキノコ…

神無月は神在月でもあるのか

読書の秋なのに、紙の本を読む機会がめっきり減っている。今もあるのかどうかわからない。買ったばかりの本を開くと、余分な紙を折り畳んだ不体裁なページに出くわすことがあった。製本の際の切り損ねである。 この裁断ミスのページを“福紙”または“恵比須紙”…

その金は果たして清潔なのか

小説家・三浦綾子さんは雑貨店を営んだことがあるそうだ。 手記の『わたしは手洗いおばさん』によると、<客が菓子を買おうとする。わたしはすぐに手を水道の水で洗って菓子を袋に入れる。金をもらい、つり銭を払う。そこで、また手を洗う>。 客が1人来れ…

なぜか腑に落ちない減少傾向

ひねくれた視点の面白い話が好きである。童話作家・アンデルセンさんは、母親に職人の道へ進めといわれ、<ぼくは有名になりたいのです>と言い放った。そして才能は開花したが『醜いアヒルの子』を書き、イジメられっ子を励ますことは、人生の第一目標では…

プロのはずが凡ミスで大失態

作家の林芙美子さんは世に出る前、証券会社に1日だけ勤めたことがあるという。 「玉(ぎょく)づけ(証券の帳簿処理)はできるか」と面接で訊かれ、できるふりをした。<“月給35円”という高給を捨てがたかったから>である。 適当に算盤をはじき、帳面に次々と…

過ぎ樽は山崩し 杭なきように

酒屋さんの団体「全国小売酒販組合中央会」において、組合員から預かった年金資金の8割、約144億円が投資の失敗で焦げつき、3億円余りの使途不明金も見つかる事件があった。10年前の話である。 <政治家への裏献金もあった。捜査当局には全部話すつもり…

文章の達人でないことの悲劇

“事実は小説より奇なり”。なにげなく見ている、新聞やネットでのニュース記事も、つなげてみると不可思議な現実を垣間見る。 “包丁万引き”で兵庫県尼崎市の交番に自首した男を取り調べず、警察車両で大阪市まで送り返したことが発覚した。 県警は11月20…

「いたちごっこ」はエンドレス

評論家・河盛好蔵さんの著書『夫婦十二ヵ月』(1962年)の中に、<「亭主は達者で留守がよい」という生活を心から楽しんでいるような、呑気そうな細君だった>という文面がある。 テレビCMの<亭主元気で留守がいい>が流行したのは1986年のことなので…

嘘の上塗りが闊歩するこの国

嘘をつくことはいけないが、よい結果を得る手段として、必要になるのは<嘘も方便>。そして、事実でないことを事実のように作り上げるのが<捏造(ねつぞう)>という。 “捏”の漢音はデツで、ネツは慣用音(呉音としている辞書も)と記されている。“捏(でつ)”は…

老若で知恵が必要なこのご時世

先月末、興味深い新聞記事を見つけた。北九州市の男性(68)宅に、郵便局員を装った男が押し入り、男性を殴り預金通帳や印鑑を奪い逃走。男が金融機関で現金を引き出そうとしたことから、福岡県警は容疑者を特定した。 強盗容疑者は被害者の実の息子(36)と…

スローニュースが必要な理由

情報の垂れ流し。それは今さらのことではないが、この頃はとくにそれが激しく感じる。 各メディアのメインニュースはどこも同じで、さんざん騒いでいたと思えば、新たな事件やできごとでコロリと変わる。それは、この2、3ヶ月だけでもすごかった。 新しい…

わずか2年での体たらくぶり

首都高速道路が建設され、東京駅~新大阪駅間へ東海道新幹線が開業したのは1964年の10月1日。開会式のわずか9日前のことであった。 この年の東京五輪が残した遺産は、数知れない。大きく変貌を遂げた東京の街並み。メイン会場となった国立競技場は、遺…

北風よりも太陽の決めゼリフ

白熱する高校野球を観ようと、テレビのチャンネルを合わせたら国会の中継だった。すぐにチャンネルを替えようとしたら、おもしろいやりとりだったのでそのまま見入った。 参議院予算委員会である。新国立競技場の質問で、民主党の蓮舫代表代行が、総理をはじ…

数々あるハラスメントの因果

ハラスメントという言葉の意味は、“人を困らせること”や“いやがらせ”なのだという。米国でセクシャルハラスメントという言葉が登場したのは1978年で、日本に入ってきたのは1989年。その後、“ハラスメント”の付く言葉はどんどん増え続けている。 今で…

流れる情報のたどり着く場所

<年金情報をめぐり、皆様をだまそうとする犯罪が起こっています。ご注意ください>。厚生労働省のサイトにある文面である。 要約すると、日本年金機構職員、消費生活相談センター職員や弁護士を名乗り、「あなたの年金情報が漏れています。キャッシュカード…

ジェンカを踊らせたい人たち

今回は、だれでもよく行う(であろう?)キスの話題について書いてみよう。といっても、最近のニュース記事でキスが目立ったからであるが。 数日前、自民党の中川郁子農林水産政務官は、同党の門博文衆院議員と路上でキスをして、その写真が『週刊新潮』に掲載…

十年前に起きた或る事件とは

殿様の名前が書かれた紙を誤って足で踏み、叱られた。少年期の福沢諭吉さんである。 「殿様で悪いのなら、神様はどうか」と今度は、神社の御札(おふだ)を踏んでみた。何ともない。 御札もたまったものではないが、その満ち溢れる探求心に免じて、神様も大目に見てくれ…

年初には技術回帰の一報あり

「必ず青空が見えて虹の上には青い鳥が飛んでいる。いつまでも雲の中を飛んではいない」。1999年の年初、当時の宮沢喜一蔵相が職員に対して、映画『オズの魔法使』の主題歌『虹の彼方に』の歌詞を日本経済になぞらえた訓示だったという。 <稼ぐに追いつく(貧…

名優の質素な人柄は脚本外で

多くの言葉を費やすニュース記事よりも、新聞に投稿された時事川柳で、はるかに的を射た説得力を感じることがある。 "総でなく実態5割チョイ選挙" (東京 後藤克好さん) "生活の党は麻雀やっとでき" (船橋 濃紫菫咲さん) 今月の衆院選の結果、生活の党の所属議員…

腑に落ちないこの師走の連鎖

気温の低い日も増え冬支度は進む。わが家でも年賀状を買った。作家・池波正太郎さんは、千枚近くの年賀状を、初夏の頃から少しずつ書き進めていたとか。<誠意をこめてつくらなくてはいけない>と、『男の作法』で説いている。年賀状離れが目立つ昨今、誠意…