数々あるハラスメントの因果
ハラスメントという言葉の意味は、“人を困らせること”や“いやがらせ”なのだという。
米国でセクシャルハラスメントという言葉が登場したのは1978年で、日本に入ってきたのは1989年。その後、“ハラスメント”の付く言葉はどんどん増え続けている。
今では、“ブラッドタイプ(血液型)・ハラスメント”までもが登場して、就職や人事で差別されるとのことで問題が指摘されているそうだ。
この言葉は、2011年7月に当時の復興担当相が、岩手県と宮城県を訪問した際の(一連の)発言問題が発端となっている。
「知恵出したところは助けますけど、知恵を出さないやつは助けない」、
「おれ九州の人間だから、東北が、何市がどこの県とかわからんのだ」
などと述べ、(岩手県庁に続いて訪問した)宮城県庁で、会談を行う部屋に入った際、県知事がいなかったことに対して「(知事が)先にいるのが筋だよな」と、不満を口にした。
復興担当大臣はその失態の釈明をするため、「私は九州の人間だから語気が荒い。B型で短絡的なところがある」と語った。
宴席で知らない同士が自己紹介する際、血液型は便利な話題なのだろう。しかし、差別や偏見を生むとなれば、楽しんではいられない。家庭環境などと同じで本人が血液型を選べるわけでもない。
九州大学の調査で、血液型と性格の関連性に科学的根拠はないとの結論が出たという。
日米1万人以上を調べたそうだ。イカれた大臣のおかげで、最も損をしてきたのはB型の人だとも言われた。“自己中心的”といった誤解が世間に広がるからだとも。
それでもB型の私はヘコたれない。あれこれ言われるのをけっこう楽しむからである。
ただし、常識のない某元大臣とは一緒にされたくはないが。
ハラスメントの被害はやはり女性が多いだろう。しかし、女性も黙っていない。
少し前のニュース記事にて、<オヤジを懲らしめたくて>という動機で昏睡強盗をはたらいた容疑として、薬科大6年の女子学生が逮捕された、とあった。
薬物入りの手作りチョコを食べさせ、眠った男性の財布から現金4万円とクレジット機能があるキャッシュカード2枚を盗んだ疑いなのだという。
昔、同様な手口で外国人美女の犯行が続いたことがあった。犯人は捕まらず、どんな美女かと興味を持ったのをおぼえている。
さて、この女子大生は、出会い系サイトを通じて初めて会った同市の会社員(52)をはじめ、9人へ犯行を重ねたという。
「妻子がいるのに出会い系サイトで女性と会うオヤジを懲らしめたかった」のだそうだ。
<目には目、ハラスメントにはハラスメント>という言葉があるかどうかはわからないが、「若い女性による中高年男への盗撮」なども、新聞の紙面を騒がせているようだ。
女性が盗撮の加害者となり、「おっさん、きもい(笑)」などのコメントといっしょに、薄毛男性の写真がSNSなどに投稿されるのだという。
電車でだらしなく熟睡しているサラリーマンや夢中でスマホを操作している太った男性なども、絶好の(盗撮の)被写体になるのだそうである。
ただ、無断で撮影した人物写真の投稿は、訴訟に発展する可能性もあるため、遊び心では許されないこともありそうだ。
IT関連トラブルの法的問題として<本人の同意を得ずに勝手に撮影すれば、肖像権の侵害に該当する可能性がある。直ちに犯罪行為となるとは限らないが、民事責任として損害賠償請求を問われる恐れはある>と指摘される。
つまり、男女を問わず、電車内で見かけた人を(承諾を得ずに)勝手に撮影すること自体が、肖像権の侵害とみなされる可能性があるということだ。
それでも、肖像権の侵害に当たるのは、撮影した写真で個人が特定できる場合なのだ。
手や足などのパーツや後ろ姿、ビール腹のおなか周りなどで、写真を見て個人が特定されない場合は、肖像権の侵害に当たらない可能性が高くなるとか。
根底にハラスメントという感情があると、なかなかむずかしいだろうが、トラブルを避けるためにも、投稿前に自分が同じような写真をさらされたときにどう思うか。それを考えることが必要といえるだろう。