日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

2016-01-01から1年間の記事一覧

気むずかしくも慕われた漱石

今年の12月で没後100年になる夏目漱石さんは、圧倒的な知名度で高い人気を誇る。その作家人生は10年余りにすぎない。 思春期の読書好きな人が“あれ読んだ?”と語り合えるような、太宰治さんタイプではないかもしれないが、粋で新しいもの好きなおしゃ…

逆手で利用される身近な機器

<OA機 電源切れば 俺の勝ち>。サラリーマン川柳の優秀作である。最新の機器に手こずる人の奥の手らしい。 昨今は、報道機関の電源スイッチに、手を伸ばそうとする政治家を連想してしまう。<都議会、リオ五輪視察中止を決定>などの記事では、もはや電源…

いつの世もヘンな人が蔓延る

詩人・吉野弘さんには、漢字を題材にした作品があるという。<脳も胸も、その図(はか)らいも 凶器の隠し場所>(『同類』)。 脳や胸という漢字には“凶”が隠れており、誰しもが聖人にはなれず、つい凶器のように野蛮な言葉が脳裏に浮かぶ。 脳や胸にとどめてい…

「宝物の時」こそが美味の瞬間

『年齢の本』(デズモンド・モリスさん著)によれば、<59歳は中年としての最後の喝采を受ける年齢>であり、<31歳はもはや若者に信用されなくなる年齢>なのだという。 1歳ごとの年齢の持つ意味を、0歳から100余歳まで、有名人にからめて記されてい…

ときめく時間の部分活用方法

昨年の箱根駅伝で青山学院大は、初優勝を果たした。その采配は“ワクワク大作戦”だという。観客も選手も“ドキドキワクワク”するレースをしよう、との掛け声である。結果、選手たちの力が予想以上に引き出された。 また、過去の栄光や成功が枷で、持てる力を発…

たまに あっさりジョークでも

古き良き時代のテレビ業界で、タイトルが“ん”で終わる番組は当たる、と信じられていた時期があった。まず、ロングヒットを放った『水戸黄門』が思い浮かぶ。『大岡越前』はそのために越前守の“守”を削ったとか。 “ん”にした方がいいというおまじないは、薬業…

遊ぶ学ぶで宇宙エレベーター

伝説の国語教師・橋本武さんは“遊ぶと学ぶは同じこと”として、<遊び感覚で学ぶ>ことの大切さを説いた。神戸の灘中学・高校で長く教壇に立ち、3年前に101歳で亡くなった。 教科書は使わず、中 勘助さんの小説『銀の匙(さじ)』一冊を、中学の3年間かけ…

Windows10よりDOSが宝物

先月よりWindows10が勝手に更新され、ユーザーが困っているとの話を訊く。知人は、Windows8のパソコンを使用中にそれが始まり、長時間の中断を余儀なくされた。 開始直前に通知が表示されるが、更新回避の方法がとてもわかりにくいとか。昨…

雨降る季節の楽しき感慨深さ

<かつあげ はじめていい?>母親から突然、こんなメールが届いたとか。『おかんメール2』という本にあった。<かつ あげはじめていい?>。どうやら、改行の位置が誤りのようだ。 揚げたての料理をわが子に振る舞おうとする、母の愛情深さであった。“内食(…

セコさには反骨のセンスが大事

ケチにも上には上がいる。五代目志ん生さんの『落語黄金餅』のまくらがおもしろい。 釘を打とうと、近所に金づちを借りに行ったら断られた。その理由は、鉄(かね)の釘を打たれたら金づちが減るから、なのだと。そこでいわく、しみったれな野郎だ、それなら自…

紙も仏もネット通信でゲット

インターネット以前のパソコン通信でのネット通販は、今のように商品を選び「カートに入れる」等の方式はなく、Eメールのやりとりで販売店に見積もりを出してもらい、注文していた。のどかなアナログ感覚であった。 アナログといえば、最近おもしろいサイトが…

“数字と容姿”は美しいか否か

理容室へ行く女性客がいる、と訊いておどろいた。私は(理容室の)待ち時間がいやで数十年行っておらず、家で散髪をしてもらう。 美容室に通う男性は前にもいた。今は男性専用の美容室も人気だとか。美容室はシェービングができないため、女性客は理容室で顔や…

温暖化だけと思えば大間違い

二酸化炭素が増え、地表の熱が宇宙へ逃げにくく、地球の平均気温が上がってしまう現象が“地球温暖化”である。暑い夏が増え、台風が強くなる。他にもいろいろな現象が起きている。 増えた二酸化炭素は海にもたくさん溶けて、海洋の酸性化が進むといわれる。ウ…

負けず嫌いは日本人のDNA

志賀直哉さんの随筆『自転車』によると、10代の頃は自転車マニアだったという。ブレーキもない当時の米国製を乗り回し、東京中の急坂を登り下りしたり、江の島や千葉へと遠乗りをしたそうだ。 鉄道馬車や人力車が主な移動手段だった時代だというので、自転…

言葉は武器にも凶器にもなる

長年の営業職で、言葉一つが売上げに直結したり、顧客を怒らせた体験もある。使い方により、言葉は意味や音感が微妙に変わる。 「愛する」の“愛”は“心”が真ん中に配されているが、「恋」の場合“心”が下になる。<恋は下心で愛は真心>なのだろうか。おもしろい。…

“下から目線”で得られる全体像

<俺はねえ、人を見下げることは嫌いなんだよ。俯瞰(ふかん)ていうと見下げるじゃないか>。映画監督・小津安二郎さんは語った。ローアングル(低い位置にカメラを置いて撮影する)技法を駆使する、小津さんならではの言葉である。 監督がセンチ単位で指示する…

“言葉少な”の嫌われ方好かれ方

以前、<身近な人の嫌いな口癖は?>という内容のアンケートをしていた。約2万の回答の中から、2位は「お金ない」で1934票。そして、4540票という大差で1位に輝いたのはたった一語の「は?」であった。4~5人に1人の割合である。 納得できない、ま…

その金は果たして清潔なのか

小説家・三浦綾子さんは雑貨店を営んだことがあるそうだ。 手記の『わたしは手洗いおばさん』によると、<客が菓子を買おうとする。わたしはすぐに手を水道の水で洗って菓子を袋に入れる。金をもらい、つり銭を払う。そこで、また手を洗う>。 客が1人来れ…

省かずスタンド・バイ・ミー

アメリカのソウル歌手ベン・E・キングさんは昨年、76歳で亡くなった。1961年にはソロで、名曲『スタンド・バイ・ミー』の大ヒットを放った。 1986年、少年の友情を描いた同名映画の主題歌となり、リバイバルヒットしたといわれている。実情では、…

操れないモノに迷うが人の常

日本の芸能界をサラリーマン式とすれば、ハリウッドは自営業式だといわれる。それぞれのタレントが、自分のキャリアを自分でコントロールして、責任も自分で持つ。 アメリカで人気のテレビドキュメンタリー『アクターズ・スタジオ・インタビュー』では、クリ…

からだの記憶力と詩のこころ

箏曲家の宮城道雄さんは、今年で没後60年になる。大阪の公演へ向かう夜行急行列車『銀河』から、列車の外に転落した。救助時点で意識はあったが、惜しくも搬送先の病院で亡くなられた。 8歳のころに失明した宮城さんは、光を断たれ指先の感覚が研ぎ澄まさ…

大型連休を多機能に送るか?

<小さいものに、機能をたくさん詰め込むことが進歩>のごとく、あらゆる商品が多機能化された。腕時計は、ゼンマイ、自動巻きを体験し、今ではソーラー電波時計が手放せない。ただ、ストップウォッチやタイマー、アラームなどの機能を使う機会はほとんどな…

星空から見るこの星への想い

寒くも暑くもない穏やかな季節になった。過ぎし昔をふと思いながらの星空も、なかなか粋なものである。 おおぐま座の一部である北斗七星は、北の空を沈むことなくまわりつづける。ギリシャ神話では、主神ゼウスの寵愛を受けた妖精に、激怒したお后のヘラが妖…

モノのインターネットのこと

IoT(Internet of Things)とはモノのインターネットの略である。最近、耳にすることがとても多い。 スマートフォンの普及など、センサーの小型化・低価格化が進み、センサーを搭載できる機器が増えたことがその背景。 世界のIoT市場は…

ネットの先にある意外な何か

数日前におもしろい記事を見た。東京大の研究グループが、極薄の有機ELディスプレーを開発したという。どれくらいの薄さかというと、皮膚に貼れるくらいなのだ。 厚さ3マイクロメートルほどのディスプレーは、人の表皮の1割ほどの薄さで、くしゃくしゃに…

こころの伴わぬ資格保持者達

世界の肥満や体重超過の人は約21億人とのことである。肥満率の高いメキシコ市では、<スクワットを10回やれば地下鉄やバスが無料>との奇策。いつか読んだ記事だが、今でも続いているのか。 そのカウントは、専用機械の上でひざの屈伸運動をする。その光…

受け取り方・憶測の違いとは

中国の留学生が日本の食堂に入り“力うどん”を頼んだという。運ばれた料理をじっと見ながら<蚊は?>。 小話である。片仮名の“カ”と漢字の“力”はよく似ている。四川、広東には“蚊の目玉のスープ”なる料理があるらしい。本当に蚊の目玉かどうか定かではないが…

凡人は真似するが偉人は盗む

親族を装う振り込ませ詐欺の被害は、7割が首都圏(1都3県)に集中しているという。付け焼き刃の方言でボロは出したくない、というのが犯人の心理らしい。 方言には効用があるようだ。地元の人同士のつながりを強めることで、人の心を故郷につなぎ留める役割…

幸福な偶然とそれ以外の偶然

理学博士・鈴木章さんがノーベル化学賞を受賞したとき、“セレンディピティ”という英語を記者会見で使った。“幸せな偶然”のことだという。 どこに隠れているか分からない幸運を見逃さずに新たな発見につなげよ、との趣旨であろう。それでも人は“不幸な偶然”に…

AIとビッグデータの繋ぎ先

トヨタ自動車が、米マイクロソフト(MS)との合弁で、(米国に)車から集める“ビッグデータ分析”のための会社を設けたという。数日前の新聞記事にあった。 車のIT化を担う人材確保と、分析結果を自動運転に生かす。先行のグーグルを追い、車各社のIT人材争…