日日平安part2

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AIとビッグデータの繋ぎ先

 

トヨタ自動車が、米マイクロソフト(MS)との合弁で、(米国に)車から集める“ビッグデータ分析”のための会社を設けたという。数日前の新聞記事にあった。

車のIT化を担う人材確保と、分析結果を自動運転に生かす。先行のグーグルを追い、車各社のIT人材争奪戦は熱を帯びる模様だ。

新会社『トヨタ・コネクテッド』は、米国拠点となるテキサス州に構える。
2017年までに約40人の技術者を集め、ビッグデータの分析にあたる。

トヨタは、通信専用機を使い、利用者が渋滞などきめ細かい情報を入手できる“つながるクルマ”を増やす方針だ。現在、高級ブランドのレクサスのみの標準装備だが、米国で来年以降、大衆車にも広げていく考えだという。

車の位置や速さ、道路の状態など膨大なデータをトヨタが収集分析。自動運転のための詳細な地図を作成したり、運転者の好みの広告を表示したりすることが考えられる。

 

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2011年にトヨタとMSは提携して、ビッグデータの活用方法を共同で研究してきた。新たな合弁会社を米国につくることで、日本で手薄なIT人材の確保につなげる狙いがある。

今年1月には自動運転に欠かせない人工知能(AI)を研究開発する新会社を米国に設けている。米国防総省から有力技術者を招き、グーグルのロボット部門責任者も引き抜いた。5年間で投じる金額は約1100億円に達するようだ。

情報処理に強いグーグルは2009年に自動運転車の開発を始めた。その走行実績は計240万キロ以上にもおよぶとか。

外部人材を活用してでも、その技術に追いつかないと、グーグルの下請けになりかねない、との危機感が強い。日産自動車トヨタより一足早く、2013年2月に自動運転の研究拠点を米シリコンバレーに設立。2015年1月には米航空宇宙局(NASA)と共同研究を始めた。

 

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昨年末に、興味深い記事を見つけた。広島市立大で、ネット接続機器使い、車をスマホで“乗っ取る”実験を行ったというのだ。

国産乗用車にインターネットと接続する機器を取り付けると、スマートフォンで車をハッキング(乗っ取り)して遠隔操作できることが、実験で明らかになったとのこと。
窓を開閉させたり、停止中に速度表示を180キロにしたりできたそうである。

サイバー攻撃で走行不能にすることも可能で、事故につながる恐れもある。
現代の乗用車はコンピューターで制御されているが、内部システムがネットに直接接続する機能を持った国産車はないため、現行の市販車に問題はないそうであるが。

それでも、実験のように改造でネット機器を接続すれば、サイバー攻撃を受ける恐れがあることは証明された。日本車がハッキング可能と分かったのは国内初だという。
AIだ、ビッグデータだ、と浮かれてばかりはいられない。

 

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自動運転、ネット活用の技術開発が進む中、メーカー各社に早急なセキュリティー対策が求められる。

実験でも、(専門業者がメンテナンス時に)診断機器を接続するため車内に付けられている端子に、市販部品を組み合わせた無線LAN機器をつなぎ、エンジンなどの機器を制御する際のデータを読み取って解読。そして、スマートフォンの専用アプリを開発し遠隔操作できるようにしただけだ。

エンジン始動やハンドル操作はできなかったものの、実際と違うエンジン回転数や速度を表示させ、アクセルを踏んでも動かせない状態にできたそうだ。

ある程度の知識がある者からは、<重要な通信が外部から丸見えになり、他車も同様にハッキングをされる恐れがある>ことが判明した。

<車両のセキュリティーを守ることは、安全・安心のために大変重要。情報セキュリティーをより強固にする努力を続ける>。取材に対するトヨタのコメントである。
「便利さの裏に潜む危険度」が、この先どういう形で現れるのかわからないが、こちら側のビッグデータも大いに収集していく必要はあるだろう。