日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

誤解のない師走を堪能したい

<銭金が こうたまればと 十三日>。江戸川柳である。この時代の風習で、12月13日は年に一度の大そうじ“煤(すす)払い”の日だった・・・と。 仕事もさることながら、忘年会で多忙な方もいらっしゃることだろう。誘われて「行けたら行くね」と言う人がいると…

1年のうちで今が浮かれどき

欧米ではホワイトクリスマスに関しての定義があるそうな。アメリカなら海洋大気庁がチェック。<12月25日朝に、積雪が1インチ(2.54センチ)以上あること>なのだと。それは、数日前に降った雪が残っていても認められるという。 東京は明治以降、12…

創作のメカニズムを考えると

人の発する表現力の源泉は同じだろうが、秀でたスポーツ選手を見ると体のメカニズムに興味を持つ。いろいろなジャンルの作品にふれれば、作家の脳や心のメカニズムが気になる。 <上手にはすきと器用と功積むと この三つそろふ日とぞ能くしる>。千利休が茶…

テレビは創造性を引き下げる

<好きなシェイクスピアの作品を10本挙げろ>。今のディレクターに言っても、出てこないでしょう。名脚本家・倉本聰さんの弁である。 昔のプロデューサーや演出家は、ドラマ・作品のことをよく勉強していた。そして、テレビの現状を倉本さんは心配する。 「…

「電気圧力鍋」と「自動製氷機」

FD(フロッピーディスク)が活躍したのは1990年代だったか。データの保存や受け渡しには欠かせなかった。2000年以降は、コンピュータの性能向上と小型化。扱うデータ容量も大きくなり、PCそのものに光ディスクドライブが標準搭載された。 2009年春…

何度もめぐりあえない12月

元号が変わるのに、来年のカレンダーには明記されない。もどかしい12月だ。 “明治”の1つ前の“慶応”を定める際、他に40もの案があったとか。『書経』の一節「地平天成」から引いた“平成”の2文字も候補の一つだった。約120年を経て日なたに出たのが今の…

何事も因果関係はあるだろう

巨体のクジラの豪快な漁は有名である。魚の群れを海面に追い詰めて、海面に突進して大きな口を開け、魚群を一気にのみ込む。 南国タイの沿岸に生息するカツオクジラは、独自に省エネ型の漁を編み出したようだ。海面近くで立ち泳ぎをしながら口を開け、中に魚…

「せつもく」は「なにもく」か?

和製文字らしい。女偏に鼻の「嬶」で“かかあ”と読む。国文学者・池田弥三郎さんは随筆に書いた。亭主の浮気を嗅ぎつける鼻を取り入れるとは「昔の人も味なことをする」。 将棋の最年少プロ・藤井聡太七段が15歳で四段のとき、公式戦通算50勝を達成した。その…

腰を据えない季節もよかろう

今週末は12月である。住まいの神奈川県はまだ暖かいので、冬を待つという気分ではない。秋の期間の断定基準があるという。それは、最後の真夏日(30度以上)から気温が一桁になるまでの間だとか。 四季の中でも、秋のスタートから終わりまでがわかりにくい…

音楽の対価が与える衝撃とは

外国映画上映時に配給会社から徴収している(劇中)音楽の使用料は1作品一律18万円であった。日本音楽著作権協会(JASRAC)が興行収入に連動させる形に変更する意向で、この11月から、上映されるスクリーン数に応じて6種類の使用料額を設定した。 例…

時代とメディアは変われども

昭和30年代の頃だろう。有名人の名をもじった歌手の公演チラシなどが、貼られていたという。橋幸夫さんをもじった“橋雪夫”、美空ひばりさんかと思いきや“美空いばり”だったりと。 それを電信柱に見た作家・遠藤周作さんはエッセイ『だまし屋』に記した。「…

おもてなしの裏には何がある

中国の「一人っ子政策」という厳格な人口削減策は、1979年から2015年まで導入された。<叔父や叔母がいない社会は人類の歴史に類例がなかったから…>と、『2061年宇宙の旅』(アーサー・クラーク)では、中国の「一人っ子政策」に触れた一節がある。 …

今このときがまさに晩秋の旬

時を超越して伝えられる文字の情報力は大きい。<ゆとりでしょ?そう言うあなたはバブルでしょ?>。昨年のサラリーマン川柳の入選作品で、お気に入りの句である。 <サラリーマンという仕事はありません>。大きな文字でバブル時代の新聞に掲載されたらしい…

ニヒルな人たちが増えている

わかっているのかいないのか、猫も杓子もAI、AIと奉る昨今である。このAIブームの先駆けも、将棋や囲碁でコンピュータが名人に勝利したことがきっかけだった。 さて、今日は「将棋の日」なのらしい。将軍家が将棋を奨励した江戸時代(徳川吉宗の時代)、旧…

おもしろい断片を持つために

<普通の人は“今”しか見えない。前を見ているつもりでも実際は“バックミラー”を通して見ている>。文明批評家・マクルーハンの言葉だ。凡人は“前”を見る努力が欠かせないようである。 いろいろなモノがそろっていたかどうかで、世代差を感じることがある。子…

奴隷契約からもスターの輝き

<人が地面に立つとき、足の裏が収まるだけの面積があれば足りる>。でも、立っている場所以外の大地を掘り取れば、足もとが崩れる。“無用の用”と評したのは、古代中国の思想家・荘子である。役に立たないと思われているものが、実際は大きな役割を果たして…

無言で取り憑かれて睨めっこ

昔を想像して“もし”こうだったら、今はどう変わっていただろうか。そういう状況はいくつもあるはずだ。歴史を変える「紙一重」を考えることは楽しい。 いまも恐竜は繁栄していたかも・・・という説があるらしい。6600万年前、巨大隕石の衝突が恐竜を絶滅に…

レア物も革新の波に洗われる

昨秋、インターネットのオークションで、有名人のサインを偽造販売していた男女の4人組が、詐欺の疑いで逮捕された。 人気女優の写真やカリスマグループの色紙に偽のサインを作成。インターネットオークションで3人の顧客へ販売し、計1万2300円を騙し取っ…

拝啓 僕はとても残念でした♪

加川良さんと最初の出会いはこの歌詞であった。<拝啓 僕はとても残念でした あの日 君がホワイトジーンでなかった事が・・・>。男子が女子へ書いた微笑ましい手紙が、おもしろいほどに歌となっていた。 吉田拓郎さんのオリジナル・アルバム『元気です』(197…

あの業界までも定額サービス

一見古びているようで、新しい。それが古典の力というものか。2007年、夏目漱石さんの自筆原稿を写真版で完全収録した“直筆で読む『坊っちやん』”が刊行された。その自筆原稿では、ペンの動きが生み出す文章のリズムがある。 その7年前に、作家や評論家…

無名での原石を見抜く心の眼

芥川龍之介さんに『MENSURA ZOILI』という短編小説がある。小説や絵画などの価値を即座に判定する測定器があれば、どうなるのか・・・と。機械で芸術品の値打ちが測れるという国を空想している。 3年前、いくつかの図書館でおもしろい展示を試…

システムはアナログにかぎる

URLのwwwは「ワールド・ワイド・ウェブ」であり、ネットのウェブサイトの「ウェブ」とはクモの巣。つまり地球を覆う情報ネットワークは、世界的なクモの巣の如しである。 “ナッジ(Nudge)”とは、(人々に強制することなく)賢い選択へと、ちょっとした工夫で…

ボケたふりで切り抜ける手口

テレビ『きょうの料理』は、NHKで1957年より60年以上にわたって放送されている料理番組。また、テレビ朝日系列の『徹子の部屋』は、1976年から現在で放送43年目を数える長寿番組である。 テレビ界を代表する二つの長寿番組には共通点があると…

想像のつく物語を求める心理

新垣結衣さん(ガッキー)と瑛太さんがW主演を務めた映画『ミックス。』(2017年)は興行収入が14.9億円になるヒット作だ。 恋に破れ退職して実家へ帰ったガッキーが元ボクサーの瑛太さんと出会い、反発しながら卓球でペア(ミックス)を組み、地元の卓球メ…

世間では やばいことが面白い

“やばい”の語源は“やば”で、形容詞化して“やばい”になったらしい。意味は、不都合なことや危険なさまをあらわす言葉。 江戸時代から使われて、『東海道中膝栗毛』にも用例があるそうだ。本来は危険で、 悪いことが起こりそうなイメージだが、今は肯定的に使わ…

封建制度で生まれる名ドラマ

“封建的”、“封建制度”などの言葉は今もよく使われる。かつて映画界では封建的な五社協定というものがあった。戦後、映画興行から映画制作を考えていた日活が、映画他社の監督や俳優などを引き抜こうとの動き。それを封じようと、松竹、東宝、大映、東映、新…

心理に行動を合わせてみれば

“人間は合理的ではない”という前提に立ち、心理学を取り入れて考察する。経済理論とくれば、行動経済学らしい。 ある食堂の昼メニューは、A定食800円、B定食1000円だとする。店では利益の上がるB定食を多く売りたいが、思い通りにいかない。それで…

芸ある人の真髄を感じた瞬間

<30代、40代と、若いミュージシャンとともに野外コンサートを続けてきました。でも、自分のアーティストとしての力量はだんだん風化していく>。シンガー・ソングライターの南こうせつさんが以前、新聞のエッセイに書いていた。 <つまり人気がなくなっ…

秋も日暮れて思いは津々浦々

ある日本人がアメリカの駅の窓口で、ニューヨーク行きの切符を買おうとした。「to New York」と言ったら2枚の切符が出てきた。駅員には“two”に聞こえたらしい。かなり昔からある“英語ネタ小話”だ。 言い直してtoを「for」にしてみると、切符は…

じわり増える人工知能の出番

<人間の業の肯定を前提とする一人(いちにん)芸>。立川談志さんは落語のことをこう言い表した。誰にもあるやるせなさや弱さを笑いでくるむから、ほのぼのとする温かみがどこかにある。 八代目・桂文楽さんには小言の流儀があったという。小言の種をためてお…