日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

イライラでも気楽な生き方を

 

毎日、うなぎ屋の店先で匂いをかぎながら通り過ぎる男がいたという。その店の主人は、大みそかに男を呼び止めて言い渡した。「毎日の匂い代、締めて6百文になります」と。

男は懐から代金の銭を放り出し、店主に言い返した。「音だけで十分だろう」。江戸時代の有名な小話の『かば焼き』だという。

(こういう話が受ける)古き良き時代が、思わず脳裏に浮かぶ。

旅の歌人といわれた若山牧水さんは、鉄道の旅を愛した。物思いにふけりながら窓際に寄り掛かり、腰が痛くなれば鉄道案内の冊子に目を通し、適当な駅で途中下車をした。旅の時間がとてもゆっくりと流れていくようだ。

 

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<せまい日本そんなに急いでどこへ行く>は、昭和48年(1973年)に流行した全国交通安全運動の標語である。高度成長期の中で人々は忙しく動き回っていた。

全世界で日本の国土面積はわずか0.28%。しかし、全世界で起きたマグニチュード6以上の地震の20.5%が日本で発生している。

自分の思い通りにいかないのも人生か。漫画家・水木しげるさんは雑誌にその理由を書いていた。

<この世には「目に見えないもの」と「目に見えるもの」がいて、見えないものが見えるものに干渉するためだ>。だから人は神や祖霊を祭ってきた・・・とも。

<あなたの生涯は過去にあるんですか、未来にあるんですか。君はこれから花が咲く身ですよ>。夏目漱石さんは、“花”を用いて人を励ます言葉を小説『野分』に書いた。

 

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そういえば、平成時代の日本で最も売れた歌にも“花”がある。<そうさ僕らは 世界に一つだけの花 一人一人違う種を持つ その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい>。『世界に一つだけの花』を書かれた槇原敬之さんはお元気だろうか。

さて、名脚本家といわれる向田邦子さんは、自分のことをせっかちな性格と書いた。気がせくときに前を歩く人がのそのそしていると、非常に腹を立てる癖があるそうな。

イライラしないために、向田さんは気がせく場合は(遠回りでも)混まない道を歩くようにしていたという。

<明日にのばせることを今日するな>。こちらは、漫画家・藤子不二雄(A)さんの好きな言葉だという。

「いい方をかえれば“気楽な生き方をしろ”ということで、もし何かで悩んだら呪文のように唱えてください」と、著書『Aの人生』に書いている。