日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

ユーモアやシャレの妙味とは

 

作家井上ひさしさんの小説『青葉繁れる』は1974年(昭和49年)の作品だという。当時の私は本を読み漁っていた時代である。ただ、この作品は映画で観たのが先で、本をそのあとに読んで夢中になった。それ以来、井上ひさしさんに興味を強く持った。

後で知ったことだが、井上さんの作品はもっと幼い頃から夢中になっていたことが判明。1964年4月から5年間放映される国民的人気番組『ひょっこりひょうたん島』(NHK総合テレビ)を手がけていたからだ。

井上ひさしさんは、エッセイ『一盗一窃のひけめ』で窃盗癖があったと告白。とはいえ、ユーモアの達人のおっしゃることで、小さな悪事だったそうな。

盗品は喫茶店のマッチ、レストランの爪楊枝、旅の宿のタオル等。現行犯で見つかっても許してもらえそうとの計算で、“人間としては小物”との分析済みであった。

 

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イラストレーター・山藤章二さんと井上ひさしさんの対談では、日本の政治家の“同時通訳は大変”だとの話もあった。

井上さん「ここらでひとつ褌(ふんどし)を締めて、とかを連発する」。
山藤さん「それで有名なのは、日本の大臣がアメリカに行って挨拶した時、“貴国とわが  国の因縁は浅からぬものがある。なぜなら、貴国のことを日本では米国と書くし、日 本の主食は米である”・・・。いったいどう訳せっていうんだ」。

かつて、首相だった吉田茂さんは応援演説の途中で聴衆からやじられたという。
「オーバーを脱げ」。
「何を」とやじの主をにらんだ吉田さん。
「外套(がいとう)を着たままやるから街頭演説なのであります」と。

ワンマン宰相のさえをものがたる、エピソードである。場は爆笑に包まれた。

 

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やじや不規則発言は時に、政治家の言葉に関する能力だけでなく、気性や人間性の一端も浮かびあがらせる。

現代の宰相等のやじといえば、議会を軽くみていると言われてもしかたない。昨年は、前首相の安倍さんが、衆院予算委で野党議員に「意味のない質問だよ」という不規則発言を謝罪した。罵詈雑言の連続で・・・と釈明したが、のらりくらりと嘘をごまかす自身の態度の反省の気持ちはいっさい見られなかった。

罵詈雑言といえばどうしてもこの人の顔が浮かぶ。麻生財務大臣である。女性や高齢者を蔑視した問題発言もあった。国民を見下した態度も感じられる。昨年に続くコロナ禍でも再度の給付金などは出す気持ちもまったくないようで、国民からの税金なのにまるで自分のカネのような言い草である。

吉田茂元首相の孫なのに、(上述のような)ユーモア精神はまったく引き継がれてないようで情けなくなってくる。

 

 

今週のお題「やる気が出ない」