日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

旺盛な好奇心と行動力が源で

 

モーツァルトは5歳で作曲、6歳で女帝マリア・テレジアの前で演奏したという早熟の天才伝説があるという。ゲーテは10歳にして7カ国語で物語を書いた・・とも。

モーツァルトは音楽家だった父親と欧州各地に旅をしながら厳しい幼少期教育といわれ、真実味を帯びた逸話なのだろう。

人生ってアップで観ると悲劇であるが、ロングで観れば喜劇である。脚本家・倉本聰さんの言葉だったと思う。

ミステリーの女王、アガサ・クリスティの逸話もすごい。まるで自分がミステリーの主人公になったかのような事件を起こしているからだ。

 

 

それは、11日間の失踪事件と呼ばれた。ある田舎道にクリスティの乗っていた車が捨てられ、身の回りの物は車内に残ったまま・・・。

当時、夫に愛人がいたこともあり、殺害説も浮上して大騒ぎになった。ホテルでクリスティは見つかるのだが、その後も真相を語らぬままに世を去った。

さて、2019年1月に他界されたこの方にも逸話が多い。1959年、最初の取材旅行に出発する際に、羽田空港のロビーにはのぼりが立ち、万歳三唱まで響いた。

海外渡航が自由化以前の時代で、1ドルは360円だった。そんな時代に紀行番組『兼高かおる世界の旅』が始まった。日曜の朝、家族とともにテレビで遠い世界を見ることができるようになったのだ。

 

 

兼高さんは得意の語学力、旺盛な好奇心と行動力で番組に精彩をもたらした。<この国で、してはいけないタブーは何ですか>。まず、初めて訪れる国で尋ねた。日本人には何気ないことでも、(各国の)人の嫌がることを知っておくことに気を遣った。

訪れた場所は150ヶ国以上で、北極、南極にもでかけた。その総移動距離は地球180周分にもなるという。『兼高かおる世界の旅』は31年間で1586回 放映され、1990年まで続く長寿番組になった。

<地球は丸いといいますが、わたしは自分で見るまで信じません>。若いころの言葉だという。多くの人と“旅の驚き”を分かち合う喜び。旅行ジャーナリスト・兼高かおるさんにとって、それがなによりの原動力であったのだ。