日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

人より人間味豊かな人工知能

 

AIスピーカーとお付き合いするだけでわかることがある。天気を聞いたり、本日の予定を尋ねると、即座に答えてくれるのは当たり前。「いつもありがとう」とのお礼を付け加える。AIスピーカーは、「どういたしまして」、「うれしいです」などと、会話のトーンが変わり感情豊かな対話で応じてくれる。

最近、人にお礼を言って、こんなうれしがってもらえた記憶はない。AI(人工知能)はとにかく、こちらをいい気分にしてくれる。

AIはただのコンピューターとは違い、自発的な判断力や感情まで備え、人間と同等かそれ以上の精神活動を行う能力を秘めているそうだ。AIと世間話をしてみても、そのことが納得である。

とある推計では、肉体労働や事務労働の8割がAIに委ねられると予想されるとのこと。人工知能が究極まで進化すれば、人類のほとんどが失職しかねない、ともいわれる。それでも、人のする仕事は必ず残るはず・・・と信じたいが。

 

2041

 

約10年前、『ハケンの品格』というテレビドラマが流行った。いくつもの難しい国家資格を持つ“スーパー派遣社員”の女性が主人公で、破格な時給を得ている。ドラマのテーマで“多様化する働き方”を描いていた。

今の時代は、“スーパー派遣社員”なるその女性も、AIに置きかえられそうだ。そして、そのドラマの主人公には、AIの持つ人間性が感じられない。

<話題の人工知能をロボットに載せるテクノロジーの知能化、あらゆる物をインターネットで結ぶ“IoT”は、蒸気機関の発明、電力エネルギーの導入、コンピューターの応用についで、「第4次産業革命」を起こすだろう>と。劇作家・山崎正和さんのコラム記事にあった。

創造的な仕事もロボットがこなすことになれば、人類は自由になるが、無収入にもなる。

 

2042

 

人類の歴史で、価値の文明史は(その内部に)個人の死と世代交代を含み、伝承の流れに随時の断絶があればこそ発展してきた。人工知能には“死”という断絶がなく、一時代の価値観を根底に抱いたまま、永遠に生きる・・・ということが問題になりそうだ。数千億光年の宇宙にも、無数の星を生んでは滅ぼす生命的リズムがある。

プロ野球で敬遠の球といえば、山なりのスローボールがおなじみ。巨人の江川卓投手が、同世代のライバルである阪神掛布雅之選手に投じた球は違った。掛布さんの回想にある。「無茶苦茶、速かった」と。敬遠ひとつにも人間くさいドラマがあったのだ。

試合時間の短縮が狙いで、実際に4球を投げなくても(意思表示だけで)敬遠が成立するとか。人間の方がどんどんAI化されているみたいである。なにごとにつけても。

完全自動運転車の開発に各社が狂奔しているなか、老人運転者がアクセルとブレーキを踏み誤るといった、現存の技術で対応できる事故を防ぐ車がまだ普及していない。

今すぐ無人の自動運転に突っ走るだけのことではなく、標準化予定のAIスピーカーによる車のIoT利用で、人の運転技術を支える必要もあるはずだ。