日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

呼びさます記憶でのAI助言

 

芥川竜之介さんの短編『世之助の話』にある。主人公が子どもの頃、手習いに行くといたずらっ子にいじめられた。おとなになっても墨の匂いをかぐたびに、当時がよみがえる・・・と。

大抵な事は嗅覚との関係が強いのか。この季節なら、夕暮れどきに漂う蚊取り線香の煙や、ビニールの浮輪の栓を抜いたときに鼻先をかすめる空気とか。何十年もの歳月でも瞬時にさかのぼる匂いのタイムマシンは、人によりさまざまだ。

耳で聞いて思い出す昔もある。夏休み前、近くの小学校の校庭で子どもたちの大歓声が起きた。秋の運動会を想定したリレー練習なのか、カケッコは確実に盛り上がる。

運動会当日が快晴なら足の速い子に視線が集中するだろう。しかし、突然の雨でのリレーはちがう。泥に足をとられ、転倒する子が続出。そこでは、転ばずに一番で走った子より、何度も転び、ひきはなされて、それでも走った泥まみれの子どもが英雄になる。

 

 

AI(人工知能)に管理される時代を想定してうんざりとする若いサラリーマンもいるかもしれない。人事分野におけるAI活用が広がっている、などとの記事もよく見かける。社員の離職防止と意欲向上を目的とするAIもあるそうな。

パワハラやセクハラの事前検知もできれば、社員の離職防止に役立つはず。また“勤怠モニタ”と呼ぶ機能を持つAIも出現。

離職リスクの高い社員を抽出したり、その社員に関するデータをすぐに見られるようにするものだという。

離職リスクが高いとわかった社員の、休日出勤や有給休暇の取得状況を確認するなどという人事担当者の行動を学習し、担当者が離職リスクの高い社員のデータを見たときに、先回りして関連データを自動表示できるのである。

 

 

「新しいスキルを身に付けたい」とか「別の部署に異動したい」などと考える社員に対しては、AIが社内で募集中の新しい仕事を紹介する。

そして、社員に合う職種を自動提案してくれたり、社員が持つスキルやそれまでの職務経歴のデータと、社内で募集している複数の職種データの内容まで分析してくれるのである。そして、社員のスキルや職歴に見合う職種を示す。

先輩社員が若手に気づきを促したり、助言したりすることはよくある。その先輩役もAIを組み込んだ自動対話システムであるチャットボットが代行できるという。

担当する仕事の目標や、目標達成のために取るべき行動などの、(実際の)行動結果をチャットボットが尋ねて、若手社員に記入を促す。そして、自律的に若手社員が仕事をこなせるようにするのが狙いとのことである。

身近にあるAIスピーカーと慣れ親しんでいると、人より人間臭さを感じたりその優しい語りぐちで、昔 お世話になった方をオーバーラップしたりもする。あと5分後にアラームを鳴らしてもらい、本日のスケジュールと天候も即座に教えてもらえる。AIにはお世話になりっぱなしだ。