日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

元旦にお店は開くか閉まるか

 

元日はお店が休み・・というのは、昭和まで続いた商慣習らしい。<家業をなし銭儲けするものは凧(たこ)商う店の外(ほか)はなし。町家両側とも板戸を閉じて、往来すべて一物もなし>。江戸の元日の光景はこのようにあった。(『絵本江戸風俗往来』より)。扇や凧は例外だが、商売をしないしきたりだったらしい。

たしかに、子どもの頃の昭和の元日は車が走らず、人の姿も外に見えなかった。その風景が新鮮で、新しい年になったことを肌で感じた。

それを次第に変えていったのは、年中無休のコンビニエンスストアの普及と、20年ほど前から大手スーパーが始めた元日営業のようだ。

 

 

深刻化する人手不足を背景に、年中無休を当然のこととしてきた外食産業なども、元日休業が広がっているという。コンビニでも、元日に休むところが現れているようだ。

元日休業の“復活"も、ここ数年での傾向なのらしい。中小スーパーなどが元日営業を休むのは、経費の割に売り上げが伸びなかったため、だといわれる。

みそかの掛け取り騒動から、一転静かな元日。その翌日の初売りや初荷のにぎわいへ・・・と、メリハリある正月で新たな年の元気を盛り上げたのが江戸の人たちだった。意識をせずとも、そのDNAは今も受け継がれているはずだ。

江戸時代の流行語に“茶づる”というのがあるらしい。お茶漬けを食べることなのだという。私は知らなかったが、今は“まくる”などの言葉もあるとか。ハンバーガー店に立ち寄ることなのだという。妙に江戸の時代が身近に感じられるようになってくる。

 

 

「る」で終わる新語といえば、一昨年の“神ってる”もあれば、昨年に女子中高生を中心に流行した“ストーリーってる”もあるという。インスタグラムに「ストーリー」と呼ばれる機能があり、それを動詞化したらしい。

これを使い24時間過ぎると、アップした画像が自動消去するという。まるで「消える日記」のようである。毎日の物語がすぐに消えて、すぐにまた始まる。引きずるものがなくて、そこがいいのか。実に刹那的だ。

もう「数え日」の季節の後半なのだろうか。数え日とは、年の暮れに残りの日数が少なくなること。♪ もういくつ寝るとお正月・・・。子どもたちはそんな心境かもしれない。おとなといえば、あれも片づけねば、これもしなくてはと、追い立てられるように日を数えている方もおられよう。

数え日にはもうひとつ、「書き入れ日」(多くの利益が最も期待される日)の意味もあるという。元旦も店頭の仕事で頑張られる方には、ぜひともエールを送りたい。