日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

アプリで結ばれる割り勘の客

 

“多い一言”があれば“余計な一言”もある。かつての舞台で「おまえはアホか」との“何げない一言”を突っ込まれた坂田利夫さん。「そうや、アホや」と自然体で認めてしまう。

客席がどっと沸いた。「あっ、これや!」と閃いた。[アホの坂田]が生まれた瞬間であり、人気者への道を開いた。「どうやったらウケるやろかと必死になってつくったギャグは、まったくあかんかったからね」と坂田さん。

遊覧バスの終点も間近、ガイドさんが言う。「皆様、この車上で再びお目にかかれる日を楽しみにしております」。お決まりの文句であるが、外国人旅行客に同乗した通訳が伝えたところ、「インポッシブル(不可能だ)」と声があがり、どっと笑いに包まれた。

昭和の50年代で“再来日”に現実感のなかった時代の話である。しかし、今や笑う人はなかろう。再びお目にかかれる日を。

 

2011

 

当時の訪日外国人客は少なく、1977年(昭和52年)に約100万人であった。(近年になり)4年ほど前で1000万人を超えたばかりなのに、2017年の訪日外国人旅行者数は(前年よりも約2割増の)約2869万人となった。

2018年1月から国土交通省は、他人同士が1台のタクシーに同乗する「相乗りタクシー」の実証実験を開始するらしい。相乗りタクシーとはスマホのアプリで客を結び、料金は利用者同士の“割り勘”になるため、通常より安い運賃でタクシー利用できるものである。

実証実験では、タクシー会社などが開発した配車アプリを活用して、同じ時間帯に出発地と目的地が近い客同士を結びつけて効率的な運行を目指すという。

東京ハイヤー・タクシー協会の協力で、東京23区、武蔵野市三鷹市のエリアの協力事業者が決定したとのこと。

 

2012

 

利用者がスマホの配車アプリから、出発地点と目的地点を入力すると、アプリがほぼ同時刻に似た経路で移動しようとしている他の人と自動的に組み合わせ、タクシーがそれぞれの乗客を迎えに行くしくみになる。

コンサートや2020年の東京五輪などで、多くの人が同じ目的地に向かうイベントの際にも、大勢の人を効率的に運べるのだ。

思えば、バブルの時代にこのシステムがあればどんなに助かったか。深夜、長蛇の列で、長時間のタクシー待ちを経験された方も多いはず。したたかな運転手さんは、上記の配車アプリと同様に目的地の方向が一緒の客を集めて運んでいた。

料金に関しては、割り勘ではなくそれぞれの距離にのっとった料金を、各客から受け取っていた。それが許されることなのかはわからなかったが、乗せてもらえるだけで満足した客はだれも文句を言わなかった。

ただ、バブル期にはスマホのような端末機器もなければ、配車アプリ相当のシステムを作るにもかなりの時間と費用がかかっただろう。今の時代であるからこそ、便利で割り勘の格安乗車が可能になってくれる。

「あっ、これや!」と閃いた人たちに、感謝することはとても多そうだ。