日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

ただでは起きないお一人さま

 

サザエさんの父は波平さん。この方は某学会の発表資料に登場したことがあるらしい。今では70歳くらいのイメージだが、実は54歳という設定なのだという。

漫画連載の始まった昭和20年代の54歳は、あのような雰囲気だったのだろうか。一昔前までの定年退職が55歳だったというのもうなずける。

フライドチキンのカーネル・サンダースさんは、65歳で一文無しになった。保険セールス、車掌、機関士、などの転職も長続きせず、カフェは焼失し給油所も倒産したのだ。

65歳を過ぎ、チキン調理法を教える商売を始めて大当たりした。心身の衰えるスピードは人によって違いがある。しかし、60代半ばからの黄金の10年を“現役世代の続き”と思えたら楽しそうだ。

  

2005

 

少子高齢化による人口減少や価格競争などと、国内の食品市場は先行きに希望がないと思われがちだ。高齢化が進むことで1人当たりの食事量が減っている。人手不足によるトラック物流費の高騰や、小売り店頭での低価格競争の影響もあり、総需要が縮んでいることは確かだろう。

<輸入した帽子を買えば帽子は国内にとどまるが、お金は出ていく。国産の帽子を買えば帽子もお金も国内にとどまり、得である>。昔の経済学の設問である。帽子を国内で作ったほうが安くつくのか。それとも、帽子の生産にかける人手(労働)と元手(資本)を
別の商品づくりに回し、帽子は輸入したほうが安くつくのか。

両者の比較検討の結果なのであろうか、昨年あたりから大手食品メーカーによる食品工場の国内新設が増えているという。

山崎製パンの工場新設が26年ぶり、キユーピーは45年ぶりなのだという。日清食品の即席めん工場も国内の新工場建設は20年ぶりで、投資額が575億円だという。今の国内事情で工場投資が活発化しているというのは興味深い。

 

2006

 

食品市場では負の要素が目につくが、視点を変えればまったく別の構図が浮かび上がるのだという。なんと、そのターゲットは「お一人さま」なのである。

高齢化や少子化では、簡単に調理できる需要の高まりや1人世帯の増加につながる。1人分の米飯をたくのは面倒でも、パックごはんや調理パンを買えばいい。即席カップめんでも同じこと。

コンビニやスーパーでは、一人前のカップサラダや総菜の売り上げが伸びており、女性や高齢者を狙った即席カップめんも好調だという。冷凍食品業界では、チャーハンやギョーザなどが売り上げを伸ばしている。そして、食品容器の差別化も、潜在的な需要を掘り起こす。

食の視点を変え、成熟から成長市場へ転換するためにメーカー各社は「商機あり」と見て、新工場やラインの増設に動いている。食品大手は、国内生産の増強を急いでいるのである。

昨今は、AIがらみの商品ばかりがちやほやされているようだが、“成熟した”と思われていた国内食品市場も、工夫や着想次第でもっともっと伸びが見込めそうなのだ。