日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

耳に優しきグローバル経済?

 

この時期にお決まりの記事が出る。総務省が今年1月1日現在の日本の人口を発表。日本人は1億2477万6364人となり、10年連続の減少だという。

その減少幅は1968年の調査開始以降で最大。1億2500万人を下回ったのは、1996年以来で23年ぶり。昨年1年間の出生者数から死亡者数を引いた「自然増減数」はマイナス44万2564人で、12年連続の自然減少である。

その数に関して、昨日のコラム記事(東京新聞・筆洗)の一節に、思わずうなずいてしまった。<同じ43万人規模の東京都町田市や愛知県豊田市が、1年間で突然消えたと空想すれば闇の深さに震える>と。

財務省が2019年2月に発表した「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」によると、18年12月末時点の“国の借金”は1100兆円を超え、過去最大を更新。国債発行等で、借金を借金で返す自転車操業は、停まれば国が破綻。そして、年金や生活保護で生きている人たちが路頭に迷うことになる。

 

 

少子高齢化も、日本は死にもの狂いで対策をしなければならなかったが、政治家も官僚もまったく手を打たなかった。国民も少子高齢化に関心が薄く、不安な時代では自分が生きていくのに精一杯。仕事が見つからない。見つかっても保証のない派遣社員のような仕事だけ。子ども以前に、結婚すらできない。

かつて、日本人は高賃金で、給料が下がることを知らない人もいた。2000年に入って、グローバル経済のあおりが日本に回り始めた。格差が問題になり、若者の失業が深刻になったのだ。

グローバル経済とは、コストの安い国や場所で低価格商品を大量に作って世界にばら撒く経済といわれる。モノの値段はどんどん安くなり、安いものが買える人々は幸せになるはずだった。

しかし、企業が安い賃金の国へ移動していくため、先進国が空洞化した。それで先進国の仕事が激減して、賃金を下げられ失業者も増えた。

 

 

<安いものが大量に出回り、自分たちの賃金も安く合わせられるシステム>。人々はグローバル経済の本質を知った。それが少子化を生み出し、子どもはどんどん減る。日本人がどんどん消失するということになるのだ。

12年以降から団塊の世代が引退し、年金生活に入った。悠々と年金生活を楽しめればいいが、借金の膨らむ国は“ない袖を振れない”。日本という国がどんどんもろくなり、破綻へ迎えば、若者は海外へ“出稼ぎ”ということもある。貧しい国の若者たちはそうやって生きている。

日本で仕事が見つからない高齢者は、海外でも職を見つけにくい。命綱の年金も激減。そうなれば、老衰による死因ではなく、“餓えによる大量死”も考えられる。

この先、団塊の世代も巻き込まれるが、その子どもたちに助ける手段や金があるかどうか。団塊の世代は自分たちの子どもに“個人主義”を教えた。そして、その個人主義により、子どもたちは親の面倒を見ないこともあるだろう。