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日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

古今いろいろ ほめ方と信じ方

 

平安時代初期の貴族・歌人である在原業平(ありわらのなりひら)が詠んだ歌である。
<世(の)中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし>。

「この世に桜がまったくなければ、春も穏やかな気持ちでいられるのに」とのことらしい。
今か今かと咲くのを待つが、咲けば咲いたで散るのを惜しむ。桜はなにかと人の心をかき乱し、物思いに沈ませる。

なかりせば、と現実に起こりえないことを仮想しつつ、桜へのあふれる愛を逆説的に打ち明ける内容である。

 

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花の便りが各地から届いている。なにかと心穏やかではいられない時期である。

<散ればこそいとゞ桜はめでたけれうき世になにか久しかるべき>。
業平の歌に続き、別の人が詠む。(伊勢物語)

「この世は無常で、桜は散るからこそ素晴らしい」と褒め称える。
古今、ほめ方も実にいろいろである。

桜の花も散ればあの世へ行くものなのか。

<“あの世”を信じる人はどれぐらいの割合なのか>。
2013年、統計数理研究所が国民性調査で調べたという。
20歳代では45%が“信じる”と答えていた。55年前に比べるとかなり増えているようだ。

 

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1958年(昭和33年)にも同じ調査で同様の質問をした。そのときに“あの世”を信じると答えた20歳代は13%だったから、(2013年は)3倍を超える。反面、70歳以上では、(55年前に)37%だったのが31%となり減少傾向である。

数字からの想像であるが、高度成長が始まる時代から、バブル後の低迷期への落差なのか。だれもが貧しかった時代には共通の夢があった。時代は移り変わりで格差は開き、若者の希望はかすれがちになっていく。

別の調査では、占いやおみくじを信じる人も、若い世代ほど多いという結果であった。

 

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昨年、1964年から続いた長寿番組が放送を終了した。
TBSラジオ『全国こども電話相談室』である。

僧侶・無着成恭さんの語り口がとても懐かしい。質問を寄せたリスナーには、お孫さんを持つ方がいるかもしれない。

作家・永六輔さんの名回答がある。

[「いただきます」のわけは?]
<魚も野菜もみんな生きてた。その命を、「私の命にさせていただきまーす」と感謝を込める>のだと。

[天国に行ったら、どうなるんですか?]
<学校やおうちでとっても楽しくすると、今生きているままで天国になっちゃうの。今生きているこの世を天国にしましょう>。

 

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