日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

花見はざっくばらんが一番だ

 

端唄にうたわれた<梅は咲いたか桜はまだかいな>だが、今年は開花の順番もかなり曖昧なようだ。私のまわりでは早咲きの菜の花が1月の初旬、そのすぐあとには河津桜も早く咲いた。そして、ソメイヨシノはさぞかし早かろうと身構えていたところ、例年より一週間以上も遅れた。

今でこそ花見の主役は桜だが、奈良時代は梅だったそうだ。梅を詠んだ歌の数が、「万葉集」には桜の約3倍あるという。中国渡来の梅が文化や教養の象徴と見なされ、ハイカラ好きの貴族にもてはやされたとか。

現在のような花見が始まったのは江戸時代であり、大坂の豪商は閑静な別荘に商売相手や歌人文人を招き、料亭から料理を取り寄せた。

 

1821

 

テレビでは、千鳥ヶ淵の桜もきれいに咲いていた。

昨春、<公衆電話へアンテナが設置されるのは全国初>との記事があった。
千代田区が、千鳥ヶ淵の緑道にある公衆電話ボックスとボート場の2か所に、公衆無線LAN「Wi Fi」のアンテナを設置したという。

電話ボックスは電源と光回線を確保できるため、Wi Fiのアンテナ設置に適しているとのこと。利用登録すると半径50~100メートルの範囲でインターネットに接続できる。

無料でインターネットに接続できることで、外国人観光客に桜の魅力を世界に配信してもらいたいとのことらしい。なかなかの名案だと感心した。

<酔ひもせず 幹事もつとも 花疲(はなづかれ)>。橋本青草さんの句である。
夜の宴に備えて一人でシートを守る若手社員の姿が浮かぶ。

職場で恒例の花見も、桜の満開に予定を合わせるというのがめんどうで手がかかる。
仕事を終えてから幹事が買い出しに行ったり、荷物が増えれば車も使う。飲めるのに運転手をさせられて“おあずけ”をくらう者もいる。

毎年同じことの繰り返しに飽きて、それまでとまったくちがう花見を試したことがあった。

 

1822

 

花見の日は、満開日の朝に決定する。幹事も会費もなし。全員参加にはこだわらない。場所は職場ビル前の公園で、桜の木は少ないが場所取りの心配もない。

満開の日、朝礼で花見決行を告げた。そして、「それぞれの営業エリアで、各々が飲みたいものと食べたいものを調達してくること」とのルール説明をした。

<好きなものを持ち寄るだけの単純さ>が新鮮で盛り上がった。

車の営業で、買い食いはあたりまえ。仕事合間の買い出しなどお手の物だ。ぐずぐずいう者もなしの全員参加。

その夜に集まった持ち寄りのつまみと酒類の多さにおどろいた。

<自分の担当エリアのグルメを、みんなに紹介したい>という心理の相乗効果もあり、ゲーム感覚で楽しめた。

上質肉のしゃぶしゃぶ。新鮮な刺身。特製の焼き鳥やめずらしい惣菜もたくさん並んだ。車の運転もないから全員で酔って盛り上がった。

その公園で、夜桜で酒盛りするグループは皆無だった。帰宅通行人が多く、ふしぎそうな顔で盛り上がる我々を見ていた。

ところが翌年以降、そこで“夜桜の宴”を楽しむグループが増え続け、今でも恒例になっているようだ。