五輪と五感の大切な意味とは
インターネットは便利である。その検索のつけ刃で恐縮だが、五輪マークの意味を調べた。「青・黄・黒・緑・赤」の五輪マークは、オリンピック創始者、ピエール・ド・クーベルダン男爵が考案した。
世界の五大陸「ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニア」の関係連帯と、5つの自然現象を意味するものらしい。その内容として、「赤色は火、青色は水、緑色は木、黒色は土、黄色は砂」・・・とのことである。
また、スポーツの5大鉄則の「情熱、水分、体力、技術、栄養」も意味するという。仏教では、「地・水・火・風・空」の「五大」を円輪にたとえて言う語があるようだ。
余談であるが大工さんは体の五感を全て賢く使い、未知の環境でも自分で考えて解決するという。体は賢く、頭は丈夫でなければならないのだ。また、<大工は木を知らなあかん>ともいわれる。どの木をどんな用途で、どんな場所に使うかの判断である。
駆け出しの職人は木の削り屑に肌で触れ、仕事の段取りや道具の使い方などを先輩大工から盗む。掃除が下手であることは基本の学習を怠ってきたということになる。
梅雨明けから3日間、数時間ほど郊外の炎天下を歩いただけで、熱中症の恐怖を感じた。10年近く前とは暑さの質が違うように感じられる。そして、休憩しようにも日陰が見つからない。この暑さでは、他の季節以上に木陰のありがたさが身にしみるが、木がないのである。
身近な街路樹のプラタナスも減っているという。大きくなるので剪定や落ち葉の処理に手間取るのが理由とのことだ。炎天下では、あらためて水の価値も浮き彫りになってくる。場所によって水不足も心配になる暑さである。
地球上の水の98%は海水で、大気中の水蒸気は0.001%にすぎない。太陽の熱により塩水は蒸発し、蒸留されて循環する。そのおかげで、陸の生物が生きていられる。その循環も乱れつつある。
あれからもう55年になるのか。1964年の東京五輪の開会式で、航空自衛隊機が青空に五輪の5つの輪を描いたのを見たコメディアンの谷啓さんは、「すごいものだ」と思うと同時に自分が情けなくなったと語った。五輪に比べ自分は何をやっているのか・・・と。
作家・向田邦子さんは聖火台に火がともるのを見て、「わけのわからない涙があふれてきた」と書いた。
そういえば小学生だった私は、あのオリンピックでアルゼンチンとガーナのサッカーを観戦した記憶がある。たしか学校で行かせてくれたと思う。その感覚から、来年のオリンピックのチケットで大騒ぎしているのが不思議でならない。
前の東京五輪の開催期間は10月10日から24日までの15日間であった。2020年東京オリンピックは7月24日から8月9日までの17日間である。来年の今頃は期間の真ん中あたりだ。そして、酷暑も頂点になるだろう。
こんな時期に開催して本当にだいじょうぶなのだろうか。
今週のお題「夏休み」