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日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

恋愛ドラマに欠かすことのできない隠し味

映画・テレビ

 

「起承転結」で「承」が、ボディブローのように効いてくるドラマが好きである。その「承」とは、物語の構成だけにとどまらず、要素のような部分においてもいえる。

刑事ドラマと医療ドラマが多いといわれて久しい。最近はそれに加えて銀行ドラマもありそうだ。刑事ドラマと医療ドラマが溢れかえっている分、恋愛ドラマが極端に減ってしまったともいわれている。

昔と恋愛の価値観が変わった。昔に比べてやや過激傾向。韓流ドラマの影響等、いろいろな原因があげられているが、要するに脚本がつまらないだけのような気もする。

刑事、医療物にすれば、一話完結形式で途中から見てもわかりやすいし、シリーズ化もしやすいだろう。結局、シナリオの「承」の部分で引っ張れないことの裏合わせかもしれない。

 

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フジテレビの亀山社長が恋愛ドラマ退潮について言及した。「テレビ業界全体で、僕らよりも若い作り手たちが、恋愛ドラマに興味をなくしているのかなと思う。他局でも作り手が出てきていない。テレビ全体の流れだと思う」と現状を分析したそうだ。

携帯電話などの登場により「恋愛ドラマを作りづらくなっている」。“すれ違い”や“思い違い”が作りづらいし、「待ち合わせにすれ違いが生じて、やきもきする」というシーンがなかなか作れない。

果たしてそうであろうか。要するに、作品の枷(かせ)が作りにくい、ということを言いたいらしいが、韓流ドラマではかえって、携帯電話などを小道具としてうまく使っている。

毛色の異なる月9『極悪がんぼ』の番宣のためなのか、同社の大多常務も「いままでの視聴者層とは違う男性の視聴者が通常の月9より多い。(恋愛もの以外を)何年かに1回やるのは、月9の長い歴史にとってはいい」と発言している。この方は元々、月9トレンディドラマの仕掛け人だったのであるが。

 

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恋愛ドラマになくてはならないものといえば、ぜひとも押さえておきたいアレである。それは、お笑いと絶妙な口げんかや痴話げんかである。痴話げんかの意味は、痴話から起こるたわいない喧嘩。

これらが、「起承転結」の「承」として、ふんだんに織り込まれているドラマは、続きが早くみたくてたまらない。極論でいくと恋愛ドラマなどというジャンルではなく、「痴話げんかドラマ」というジャンルを新設してほしいくらいだ。

もちろん、それらの作品の裏には、作家のシナリオの上手さや巧みさが随所に迸る。上述のフジテレビだけに限っても、今 頭に浮かぶ作品がいくつかある。

 

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結婚できない男』の阿部寛さんと夏川結衣さんの辛らつな言葉の交わし合い。『HERO』の木村拓哉さんと松たか子さんのタイミングをはずした口げんか。単発ドラマとして5年ぶりに復活した際には、綾瀬はるかさんの天然ぶりが最高であった。これで私は一気に彼女のファンになってしまった。

最高の離婚』では、瑛太さんと尾野真千子さんの真逆性格トークのぶつかり合い。そこに、真木よう子さんと綾野剛さんが絡んでくると、ストーリーそっちのけで、トークだけの作品が成り立ってしまう。

あとは、なんといっても(今、続編をやっている)『最後から二番目の恋』。小泉今日子さんと中井貴一さんの漫才を超える絶妙な長回しマシンガントーク。元ヤンキー色や姉御肌色の小泉さんが、公務員そのものの立ち居振る舞いである中井さんに、けんかを売るところは最高である。

 

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これらは、再放送が何度あっても、すべて観たくなってしまう作品たちである。最近のお笑い芸人さんのコントや漫才よりも、はるかに笑い転げて観てしまう。主演カップルのクオリティが高ければ高いほど、脇役の方たちがおもしろくなってくる。この相乗効果がたまらなく好きである。そして、演出の良さはもちろんのこと、シナリオの良さが光っている。

「良いシナリオから駄作が生まれることもあるだろうが、悪いシナリオから傑作の生まれることはぜったいにない」。これは、黒澤明監督の名言である。

制作側の上層部が、作品を作れない言い訳を列挙していたら、それこそ傑作も生まれないのではないだろうか。最後に、この会社から生まれた名作『結婚できない男』の最終回でラストの台詞を紹介しよう。さんざんの痴話げんかの末、おたがいの恋愛感情に気付いたふたりの会話。

夏川結衣さん「わたしたちはキャッチボールではなくドッヂボールをし ていましたね」

阿部寛さん「キャッチボールをしてみたい」

夏川結衣さん「ボールは投げましたよ」

 

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