日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

どこかで訊いた気になるお話

 

ドイツ人の定年後の暮らしぶりは優雅だと、何かで読んだ記憶がある。

ドイツでは食料品など以外の消費税率は19%で、現役世代は給与の半分が税金や保険料などで差し引かれるとか。

ネットで検索してみると、現在は半年間の限定措置として、日本の消費税にあたる“付加価値税”の税率が19%から16%に引き下げられ、食料品などに適用の軽減税率は7%から5%に引き下げられているらしいが。

とにかく、定年後は政府による手厚い保障があり老後の生活が安心なため、現役時代の高負担にも国民の多くは納得しているのだという。

いいことばかりではないかもしれぬが、少ない年金と長い老後で、定年後も働き続けなくてはならないわが国と思わず比べてしまう。

 

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コピーライター・野澤幸司さんの著書『妄想国語辞典』によれば、日本人は直接的な言及を避ける傾向にあるようだ。

「なるほどですね」=なんの関心もないこと。「行けたら行きます」=絶対に果たされない約束。「優しそうな人だね」=当たり障りのない無難な答え。

こんな感じで、曖昧(あいまい)に相槌を打ち、完全には否定しない。日本人っぽいことの皮肉も探ってみると案外楽しめる。

<歩くことはたいへんな冒険を試みているわけで、歩行中の一瞬は片足立ちをしていることになり、まさに一輪車をこいでいるに等しい>。さて、こちらは真っ当なお話らしい。人は、生まれてから歩くのを覚えるより先に、走ることを覚える場合があるという。

 

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“歩くほうが難易度は高い”との理由はとてもおもしろい。ニーチェいわく、<ひとがすでにおのれの道を歩んでいるか否かは、その歩きぶりでわかる>と。歩行とは、個性が表れるものなのか。

 さまざま事業を手掛けた阪急電鉄の創業者である小林一三さん。その語録では<下足番を命じられたら日本一の下足番になってみろ。そうしたら誰も君を下足番にしておかぬ>とあった。

今はほとんど見ない下足番だが、どんな仕事でも打ち込んで、誰にも負けないくらいになれば周囲が評価し、一目を置く存在になっていく・・・のだと。

小林一三さんの歩きっぷりも実にお見事である。