日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

メッキの下に隠れているもの


サッカーのアーセン・ベンゲル監督は名古屋グランパス監督も務め、1996年10月から2018年5月という長期で英プレミアリーグアーセナルを率いた監督である。

<監督業をしていれば、何の苦労もなく日々を過ごすのは不可能。喜びに舞い上がることもあれば、恐ろしく落ち込むこともある。サッカーへの愛を失うことなく失望に対処する方法を身につけねばならない>と、数々の名言でも知られる。

<代表監督はマゾヒストでなければ務まらない。結果は重要なのでない、結果がすべてなのだ>とも語った。たしかに、日本代表の監督でも、結果が出ないとかんたんにお払い箱になる場面を見ている。

政権が即刻吹っ飛んでもおかしくない不祥事のオンパレード。安倍政権の命運は支持率次第といわれ、(ここまでの事態なら)危険水域とされる2割台に下がってもおかしくないのに、どうしてまだ4割以上あるのか不思議だ .

 

 

仕事の関係で、与党の集まりに年配者が押しかけるのは見ていたが、安倍政権は若い人の支持も高いらしい。雇用状況の改善など国全体の経済が良くなっているという認識なのか、リーダーを代えるリスクの方を恐れているとも。

忖度、虚偽、隠蔽、改ざん、口裏合わせ、財務省でたらめ目録、失言、暴言・・・。書き出せば、切りがない。

昨年の件でも、起きた不祥事は行政側が勝手に忖度したのであり、安倍首相の問題とは思っていない人が少なくないようだ。世論も飼いならされてしまっているのか、あまりにも異常なことが起き過ぎて、本来許容すべき事態ではないのに“うやむや”な結果ですませてしまう。

官僚が勝手にやったのならそれこそ大問題で、内閣が無能ということになるし、内閣の責任は免れないはずなのに。

 

 

不祥事も何度か続くと、そのショックがだんだん軽減されていく。それを「麻酔的作用」というらしい。昨年の調査で、安倍政権を“非常に支持”する人は5.9%にすぎず、“ある程度支持”が34.1%という数字であった。

“ある程度”の人たちが不支持へ動く可能性はあっても、野党の不支持がそれを上回るため空回りである。せいぜいが、<王様は裸だ>と安倍政権を支持する人たちに対して喚起し続けるしかない。

男性の受け継いできた職業が花柳界にもあるそうな。芸者や鳴り物とともに座敷にあがる「幇間」(太鼓持ち)である。

客の機嫌をとり、席のもてなしをするのが仕事で、その昔東京に(政財界人が贔屓にした)桜川忠七さんという名物男がいたらしい。桜川さんはこう言っていた。<バカのメッキをした利口者でないとなれない職業なんです>。

客の政財界人は優秀な人の集まりのはずだが、バカのメッキがよく目立つ。その中身が利口者であればいいのだが、その結果は・・・。サッカーの監督の如く、かんたんにお払い箱にされないところがもどかしい。