短所の修正より長所を活かす
「令和」を初めて聞いたとき、私は“いいな”と感じた。「平成」のときはなにかピンとこなくて、“自分は「昭和」の人間だから”という意識が強かった。それは今も変わらない。“好き嫌い”は人それぞれであるが。
昭和の戦後に誕生した(初の名人として)将棋史に名を残す塚田正夫さんは、無口で“えらぶらない人”だったらしい。<勝つことはえらいことだ>。ファンから一筆せがまれるときの一文は拍子抜けするくらいに気取りがなかった。
私は、ひょうひょうとした人物が好きだ。塚田さんは一つの白星をあげるために、いかなる苦労をしてきたことだろうか。その一文はなによりも“自分へのほうびの言葉”であった。
平成に生まれた最年長者は今年で30歳という計算だろうか。元号が変わることより早く、この4月に社会人デビューした若者たちのほとんどは、平成生まれのようだ。
固定電話で見ず知らずの相手と話した経験のないスマホ世代は、電話応対の基本を習っても、失敗が怖くて電話に出たくない・・・などと揶揄されるのもこの時期か。
固定電話のやりとりでクレームもさんざん受けてきた経験がある。しかし、近年は固定電話が使いにくく感じてしかたがない。
パソコンが苦手な若者も、今のスマホ世代には少なくない・・・と。しかし、肝心な作業はパソコンがないとできない私から見れば、スマホを(パソコン以上)器用にこなす若者たちがうらやましい。アンドロイドの初代機からスマホを使っているが、電話をかけたりLINE利用もモタモタしている。
物は考えようで、“居直る”ことも大切だろう。スマホを使いこなす技術からみれば、固定電話もパソコンもどうってことない。慣れれば勝ちである。それよりも、プロデュース能力を高めるような意識を持つことが大事だと思う。さまざまな専門家を集めて(トータルで)大きな仕事をする場合、その価値はますます高まるはず。
人が左に行くといえば、右に行くような“あまのじゃく”も欠かせない存在である。人とは違った目でものを見て、異なる判断を下すことができる能力が身につくからだ。そして、目的とは別のものを発見するように心がけることも大切。
“なにかのついで”ということを意識していると、情報収集も効率的になる。一石二鳥が何鳥にもなる可能性が出てくる。
行きつけの居酒屋などでは、さまざまな企業、業種の人と知り合えたら楽しいはず。それも、できるだけ自分とは異質の人とつき合うことが、なにかのチャンスになるかも・・だ。
なにごとも、100%完璧を目指せば無理も生じ、エネルギーが多く必要となる。最低の許容ラインを前もって70%達成などと決めておけば、効率的に最高の結果を得ることもある。まずは、自分の得意分野をどんどん伸ばすことがいいようだ。