脳における男女のちがいとは
早いもので、2月の1週間目がもう過ぎゆく。
<梅二月 ひかりは風と ともにあり>。
俳人・西島麦南(ばくなん)さんの句である。
いつも光が、(気温にさきがけて)次の季節の到来を告げる。
日脚も伸び、東京では冬至の頃より日の出が10分ほど早く、日の入りは40分ちかく遅い。
痛勤電車に疲労宴。これは誤字や誤植の傑作であるが、(正月明けより繰り返しつつある)日常の北風の中で、“光の春”がやって来るのを感じる季節になっている。
それにしても、2月のことを“光の春”とはよく言ったものだ。
誤字ほどではないが、男女間の会話も妙な“チグハグ感”がよくある。
うちの奥さんとの会話では、同内容のスタートから、途中でお互いの言っていることがズレてきて、平行線になってしまうことが多い。それでも、言いたいことを言い合い、結論でなんとか治まってしまうからふしぎだ。
以前読んだ記事によると、脳科学を切り口に男女の考え方や感じ方の違いを学ぶ企業研修が広がっているという。それは、男性上司と女性部下の関係作りに活かしたり、コミュニケーションのヒントになるため、のものらしい。
仕事を遂行する上で男女差はないが、脳の違いからくる感じ方や好みの対話などが異なるのだという。職場で起こりがちな男女間の認識のズレや違いを意識することで、関係が良い方向になる。
ご存知の通り、右脳は「感じる領域」であり、左脳は「言語領域」をつかさどる。
女性型の脳は左右の脳をつなぐ神経の連絡がよく、感じたままをしゃべり、共感によって癒やしを得やすい。
男性型の脳は、左右の脳の独立性が高く連絡が少ないため、客観的で自分の気持ちや体調及び状況の変化などに左右されずに、任務の遂行が可能になる。
男性上司と女性部下という関係で、企画を提案する場面を想定すると、女性型の脳は自分の直感を重視し、「これが最高です」と伝えがちになる。男性型の脳では一押しの提案に対し「思いこみで客観性に欠ける」と低い評価を下してしまう傾向にある。それを避けるには、複数の提案を示すのがよい。
女性は経過を大事にし、男性は結論を求める。女性部下がトラブルの経緯などを長々と話すと、「結論から言って」と遮ってしまう。私にもその体験がある。
今の時代は、女性が上司で部下が男性というケースもあるだろう。どちらの場合も、「女だから」「男ってやっぱり」などと、型にはめないことだ。
偏った見方を持つことは、部下を管理する立場として問題がある。適度なバランス感覚を持って見ることが必要になる。
男女で脳の形や使い方に違いがあることや脳の違いを知っていれば、意思疎通のヒントとなることはまちがいない。
また、脳には個人差があり、男性でも女性型の脳、女性でも男性型の脳を持つ人もいる。
臨機応変な女性型の脳は、肩書を越えての提案に抵抗がない。男性型の脳は秩序を重んじ、結果がよくても(提案や発言の段階で)不快に感じることもある。
男女脳の良いところでバランスよく組合せられれば、異性どうしで最上の仕事ができるはず。しかし、私のような女心のわからぬ者には、難問なのかもしれないが。