日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

「笑う門に長寿来たる」なのか

 

高級食材として古くから珍重されている伊勢海老は、江戸で鎌倉エビ、尾張にて志摩エビと呼ばれたそうだ。そして呼び名が伊勢に定まり、その名が世界に広まった。

孵化させてから稚エビに育て上げるのが難事業であり、人工的に育てる技術はまだ確立していないという。幼生期が300日と長く、その間に大半が死んでしまうからである。

孵化したばかりの幼生群は透き通った体に、葉脈を思わせる長い足が10本ある。水中を漂う姿は妖精のような美しさらしい。

研究の先端である三重県水産研究所は、世界に先駆けて1988年に幼生を人工的に稚エビへ育てることに成功した。とはいえ当時は千匹中わずかに1匹という率だった。

その後、水槽と改良とエサの工夫を重ねて0.1%だった生残率が60%を超えたとのこと。

 

1851

 

伊勢海老は、登場するだけで会食の雰囲気を一変させる。
旅館の和食ではありがたみが増し、洋食なら座がたちまち晩餐風にもなる。会食者は思わず笑顔になることだろう。

さて、食事会やパーティーで撮られた記念写真から、写真の笑顔率についてのおもしろいお話が、作家・藤原智美さんのコラムにあった。

中高年と若者の顔に落差があることに、藤原さんは気付いたという。
年が若いほど笑顔で写っている人が多く、中高年は笑顔率が低いとのこと、

70歳くらいから上の年配者になると、その傾向は極端になり、本人はそのつもりではなくても、しかめっ面や不機嫌な表情になるらしい。ことに男性の場合が多いという。

 

1852

 

米国ウェイン州立大学の研究チームは、メジャーリーグ選手名鑑(1952年版)の顔写真について調べた。そして、彼らの平均寿命をみると、笑顔がない無表情な選手は約73歳だが、満面の笑みを浮かべていた選手は約80歳と7年も長生きしている、との結果が出たようだ。

とはいえ、年配者より笑顔の多い若者たちも、笑ってばかりいられない現実があるだろう。

一昨年の婚姻件数は、63万5096組と戦後で最少となった。昨年もその最小記録は更新されているらしいが。

<目から火の出る所帯を持てど/火事さえ出さなきゃ水入らず>。
結婚賛歌の都々逸である。

ところが、血走った目から火の出そうな「火の車」の所帯を、好きこのんで持とうとする若者はいないはず。待ち遠しきは、家計の潤う経済成長という結論になるのではないだろうか。

無駄口ばかり叩く政治家たちに無駄な税金を貢ぐくらいなら、<その分を若者たちの収入に結びつけたくなる>今の世である。