日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

時代とメディアは変われども

 

昭和30年代の頃だろう。有名人の名をもじった歌手の公演チラシなどが、貼られていたという。橋幸夫さんをもじった“橋雪夫”、美空ひばりさんかと思いきや“美空いばり”だったりと。

それを電信柱に見た作家・遠藤周作さんはエッセイ『だまし屋』に記した。「娯楽ほしさか、にせものと承知で出かける人も多かったらしく、どこか愛嬌のあるだまし屋稼業・・・」だと。

目にする者を惑わす広告も、今や電信柱からインターネットに移ったようであるが。

 

 

昨年、実際に契約できない「おとり物件」を、インターネットの不動産情報サイトに掲載したことで、首都圏不動産公正取引協議会は、不動産業者42社に初めてサイト掲載停止の措置へと踏み切った。

<[1]物件が存在しない(架空物件)・[2]契約済みで取引できない・[3]貸す意思がない>。この3類型でおとり物件を定義したという。

ネットでの物件探しが主流となる中、好条件で客を引き寄せ、別の物件を紹介する手口が横行しているとのことである。

 

 

スマホで撮影した写真をインスタグラムに投稿。見て、気に入った人から“いいね!”が届く。ネット上に共感を求め、映える写真を撮り歩くのは、日本の若者だけでなく各国共通のようである。

アメリカのクレジットカード運営会社が発表した“渡航先ランキング”(2017年)では、旅行者の増加率で大阪が世界一の座についた。グリコの電光看板を始め、インスタ映えスポットの多さが増加理由のひとつなのだろう。

利用者は6億人を超えるともいわれるインスタグラムである。うまく使えば地域の集客力を高めることもできるだろうが、撮影用に商品を買い込み、投稿したら捨てる人も珍しくないという。

“いいね!”に翻弄され暮らしの足元を見失ったり、“おとり”の片棒を担がされることだけは避けたいものである。