日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

同じ球技のような気がしない

 

<喜ぶな上司と野球にゃ裏がある>。数年前のサラリーマン川柳である。上司のささやく甘言の裏には思惑があり、野球の裏には逆転が隠れている。

自分はテレビで観る気もないが、毎夏には家でも外でもテレビで流れている。観ないつもりでいても、試合内容がものすごいのでつられて観てしまう。

一瞬にかける選手たちにとって、9秒半から10秒という時間は意外に長いのだろうか。ジャマイカウサイン・ボルト選手の著書で、100メートルを走る間に、信じられないくらい多くのことを考える、とあった。

自分より先に走り出す選手には、「どうやったら、そんなスタートが切れるのか?」とか、加速でもたつけば、過去の教訓を思い出し「パニックになるな」と自分を諭す。

100回目の今大会も、逆転サヨナラが多い。波乱のドラマに胸ときめくのが観衆の心情で、追い上げる側に肩入れしがちだが、ピンチを凌ぐ投手は自分へ何をささやくのか。

 

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プロで、トーナメント形式は興業的に無理であろうが、真剣度を上げるシステムができないものか。両リーグでたったの12チーム。その中で6チームに日本シリーズへの挑戦権が与えられる。約半年の期間で、リーグ優勝へしのぎを削り、勝ち抜いた2チームが日本一をかけて勝負を決する。本来はそのはずなのに。

交流戦日本シリーズで、パリーグの実力が上なのは歴然である。セリーグの関係者は情けなくないか。相撲で出稽古というのがある。キャンプの時期、セのチームはパのチームへ教わりに行けばいい。

力の差といえば、セでは広島だけが強く、1強5弱が定着しつつある。広島は、マエケン、黒田さんの両エースが抜けても、代わりが現れてドンドン強くなっている。力をつけた若手で補うという発想が実を結んでいる。

<勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし>。野村克也さんがよくおっしゃる言葉である。たとえば、巨人はこの数年広島に勝てていない。足でかき回されたり、広島監督の采配がズバリ的中しているようだが、“負けの不思議”を確認していないのか。

 

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広島だけが強くなった要因はいったいなんだろう。かつて、巨人が日本一9連覇を果たした要因は、徹底的な守り重視の“ドジャーズ戦法"の導入と、ふたりの天才打者ON中心の手堅い攻撃力だった。

他の5球団はもっともっと広島戦法を考えた方がいいようだ。

8月19日の時点で、広島と2位のヤクルトは11ゲーム差。広島以外の5チームは勝率5割に満たない。広島は、ヤクルトに11勝4敗、巨人に13勝 (1分け) 5敗、阪神に11勝6敗。この3チームだけで勝数20もの貯金である。

この状態でも、なぜ2位、3位と、日本選手権をかけたCS(クライマックスシリーズ)をしなくてはならないのか。

高校野球は、(3789校中で)まったく敗けなしのチームだけが優勝できて、他のすべてのチームはみんな1敗のみ。真剣度の差がこのあたりにありそうだ。