日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

身元判明のためにQRコード

 

長年、私は“気になる記事”をスクラップしている。昨夏、「火葬した夫が帰ってきた」との記事を見つけた。

一昨年6月下旬、江戸川で意識不明の男性が見つかり、搬送先の病院で死亡したとのこと。その3日前に千葉県警松戸署へ行方不明届が出ていた。警視庁亀有署は千葉県松戸市の40代男性と判断して、家族を呼んだ。妻ら親族3人が遺体の顔をみて本人に間違いない、と話したことが根拠となり家族に引き渡したのだ。

ところが昨年の6月6日に、40代男性の妻から「夫が帰ってきた」との届けが出たのである。その後の捜査で、採取していた遺体の指紋などから、遺体が誤って引き取られた直後に行方不明届を提出されていた30代男性と判明したらしい。

警視庁は双方の家族に経緯を説明し、遺骨を引き渡す手続きを行ったそうな。

 

 

昨年の統計で恐縮だが、2017年で警察に届け出があった認知症の行方不明者は1万5863人。統計を取り始めた2012年以降、5年連続の増加だという。2025年には認知症の高齢者が700万人に増えるとの推計である。

2017年に届け出があった行方不明の認知症の人の年代は、80歳以上8220人、70代6193人、60代1336人などで、70代以上が9割を占めた。

ちなみに同年の年代別行方不明者では、20代が1万7052人、10代が1万6412人、30代が1万615人、80歳以上が1万476人となる。

各年代の原因として多いのは、20代と30代が“仕事関係”、10代は“家庭関係”、80歳以上は“認知症”とのことである。

行方不明になった認知症の人で、所在がわかった総数は(16年以前の届け出分から2017年までで)1万5761人。470人は死亡していた。

認知症の対応では、どうやって早期に発見し、事故から守るかが課題になる。地域住民の力と先端技術などを活用したいくつかの取り組みが各地で広がっているという。

 

 

埼玉県入間市は16年11月から、徘徊のおそれがある人に、身元確認ができるQRコードを印字したシールを無料で配っているとのこと。

1センチ四方で指の爪に貼れ、スマートフォンでQRコードを読み取ると、各自で決められた登録番号と入間市役所の電話番号が画面に表示される仕組みだという。それはネイルシールのような素材を使ったもので、入浴などで水にぬれても2週間程度ははがれない。

同市は10年以上前からGPS(全地球測位システム)端末を有料で貸し出したりしたが、充電が必要など不便な点もあり高齢者らが持って出かけるとは限らなかった。

QRコードのシールは家族からも好評のようだ。認知症などで高齢者が徘徊した場合、保護されても身元がわからず、家族と連絡が取れるまで時間がかかってしまう。そういった問題を解消するためにも、QRコードが期待されているとのことである。