日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

淡々と過ごしたい市井の生活

 

ジャンルに関わらず、何気ない言葉が自分にとっての名言になる。

<大事なことはたいてい面倒くさい>。宮﨑駿さんの言葉が忘れられない。「創りながらテーマを見つける」、「台本がない」、「少しずつ創っていく」などと、宮崎監督独特の創作法と緻密な作業の積み重ね。

めんどくさがり屋の自分は“面倒くさい”とぼやくのを封印しようとしていたが、今は宮崎さんの真似をして“面倒くさい”をよく口にする。

沖縄の武術「手」を空手として本土で広め、近代空手道の父と呼ばれる船越義珍さん。那覇市の奥武山(おうのやま)公園には、船越さんを讃える碑があるという。

そこに刻まれた文字は<空手に先手なし>。昔から「手」に伝わる言葉らしいが、船越さんが「二十訓」の一つに掲げて有名になった。

“防御が即、攻めに転ずる”という空手の極意は、受けると同時に一撃必殺の攻撃で相手を倒す。スポーツ空手にはない、武術としてのすごみである。

 

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船越義珍さんは1868年、沖縄・那覇首里城近くに生まれ1957年に死去。伝説の達人、安里安恒(あさとあんこう)さんと糸洲安恒(いとすあんこう)さんに教えを受け、「手」(後に唐手“からて”)と呼ばれた沖縄発祥の秘術を習得。門弟たちに修行の心得を示した「空手道二十訓」は1930年ごろに完成した。

“先手なし”は居合道にも通ずるような気がする。

剣術は初めから敵との「立合」から始まるが、居合道は主に床の間での想定のような普段の生活の中など、“居”ながらにして敵に“合う(遭遇する)”として形が組まれる。

<俺はねえ、人を見下げることは嫌いなんだよ。俯瞰(ふかん)ていうと見下げるじゃないか>。ロー・ポジション映画の名手・小津安二郎さんの言葉だ。

カメラを大人の膝位置より低く固定し、50ミリの標準レンズで撮る。小津作品は、特別な事件が起きたりドラマがあるわけではなく、市井(しせい)の生活がいつも淡々と描かれるだけ。いつのまにかその雰囲気に酔わされる。

 

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市井の生活といえば、学校や仕事のある限り月曜は気分が重い。ブルーマンデーともわれる。

月曜の午前には心筋梗塞など心疾患事故も多いとか。愛知県にある病院の研究班は、
月曜と金曜、休日に心臓にかかる負担を調べたという。

対象は平日に勤めを持つ207人で、起床時、10時、16時、入眠前に血圧計で測定してもらった。その結果、血圧に心拍数をかけた数値が月曜の朝10時にきわだって高かったそうな。

土日にリラックスした心臓に、月曜の午前は一気にストレスがかかるとのこと。私も体験しているが、週の初めは仕事の段取りを決めたり、会議や上司への報告も多い。急に仕事モードに入るのは心臓に悪いのである。

本日は火曜であるが、昨日まで3連休だった方も多いはず。おたがいに、淡々とした気持ちで仕事に入れることを願っている。