日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

やすらぎ、オレンジデイズな郷

 

テレビドラマがヒットといわれる基準は、視聴率10%を超えるかどうか、にまで下がっている。脚本家・倉本聰さんによると、駄目になったのはトレンディードラマからだと。

地べた目線でドラマの脚本を書くのが信念である倉本さん。
「(作り手たちが)自分の生活だけ知っていて、多様化していく(他者の)生活を知らない」のが気になる。そして、職業や社会的立場に縛られず、様々な人に会わねばならない、と

私の周りも『やすらぎの郷』の終了を惜しむ人が多い。“やすらぎロス”なのである。往年のスターが多く登場し話題となったテレビ朝日系のドラマである。

「大人の観ることができるドラマは少ない」と嘆くシニア世代に向けた名ドラマも、半年間の放送が9月末に終了した。

 

1947

 

倉本聰さんが全力投球して書いたのは、老人ホームで起こる悲喜こもごもの人間模様であった。長年、テレビ界や役者を見つめてきた倉本さんの脚本には、ひねりがあった。

その施設には、テレビ界に貢献した者だけが選ばれ入居できるという規律である。
主演の石坂浩二さんや浅丘ルリ子さん、加賀まりこさん、八千草薫さんなどと多くの大女優や大物男優が惜しげもなく出演した。残念なことに、野際陽子さんはこの作品出演が遺作になってしまったが。

中島みゆきさんが歌う主題歌も楽しみだった。みゆきさんもさり気なくドラマ出演をされていた。車いすに乗る倉本聰さんを押しながら、石坂さんたちの脇をサラッと素通りする役であった。みゆきさんと倉本さんは夫婦という設定だったのだろうか。

テレビドラマの魅力について、プロデューサー・村瀬健さんは「10時間かけて、人間を描けること」であり、その上で「この時代を切りとること」を信条としていると語った。そして、ドラマの評価は、<どれほど現代性を織り込めるか>にかかっているが、とも。

 

1948

 

最近、配信で『オレンジデイズ』(2004年)なるドラマを見つけ、おもしろさのあまり一気に観終えた。だから、“オレンジロス”なのだ。

妻夫木聡さん、柴咲コウさん、成宮寛貴さん、白石美帆さん、瑛太さんらが演じる5人の友情と愛情が楽しいのだ。また、全編にわたり手話が絶妙な効果を醸し出している。

誰もがうらやむような大学生活のシーンがあり、今も憧れを抱く人は多いらしい。先日、マイナビ学生の窓口の関連記事に、そのことが書かれていた。

調査日時は2017年4月で、調査人数が大学4年生・大学院生279人。

「ドラマ『オレンジデイズ』のように充実した青春を満喫した! と自信を持って言えますか?」との問いで、はいが57人(20.4%)、いいえが222人(79.5%)だという。
オレンジデイズのような学生生活を過ごせたと言える人はわずか2割であった。

過去を憂いてもなにも始まらない。こうなれば、よりよい余生を目標に、“やすらぎの郷”みたいな老人ホームで“オレンジデイズ”のような生活を送ったらいかがなものか。