日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

災い転じて失敗も偶然に成す

 

あのコカ・コーラは、痛み止めシロップを作ろうとして失敗したことで生まれたらしい。バルトロメウ・ディアスはインドを目指した嵐に巻き込まれた。しかたなく引き返す途中に、アフリカ大陸の喜望峰を発見したという。

偶然によって失敗が思わぬ大発見や成功につながるということがある。まさに結果オーライで、“災い転じて福となす”。

反対に“好事魔多し”ということもある。売れに売れた昭和の初め、谷崎潤一郎さんは豪邸を建てたが、税の滞納のためにわずか3年で手放した。印税に税金がかかることまで考えていなかったようだ。

遠藤周作さんは、テレビなどへの出演料をへそくりにしていた。そこへ想定外の事態が起こる。自宅へそれらの申告漏れの通知が届き、奥様にバレて一巻の終わり。

以降、遠藤さんはお仲間へ税務署をかたっていたずら電話をして、憂さを晴らしたそうな。

 

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ホワイトハウスに入居する米国の新大統領には、引っ越し代と模様替えのために(国から)10万ドルの予算が用意されるとか。前大統領のオバマ氏は、これを使わずに自費でまかなうと言い出した。

金持ちといわれた例の現大統領には、思いもつかぬエピソードだ。

「お金があるのだから、街灯をつけた方が安全」。「番犬を飼いなさい」。「この家は戸締まりが悪すぎる」。家から金品を奪うだけでなく、礼儀正しい言葉で忍び込んだ家人に防犯の心得を説き、もっぱら富豪や名士の家を狙った。

昭和初期に東京を震撼させたという“説教強盗”は、100件近い盗みを重ねた犯罪者の立場なのに、相手の不用心を懇々と諭した。罪人ではあるがなぜか嫌いになれない。

さて、脚本家にも俳優の好みはあるらしい。テレビドラマで局側から嫌いな人の起用を求められた際に、倉本聡さんは断固拒否するという。また、山田太一さんはその人を好きになろうと努めて書くとのこと。対照的な大御所2人も、好きな女優にまず挙げるのは八千草薫さんだった。

 

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時代とともに、意味合いが変わってくる言葉は多い。「ありがとう」の語源は「有り難い」で“めったにない”、“貴重な”という意味から、感謝の意を示す言葉となった。

「大丈夫」も、もともとは立派な男性を指す言葉だったが、“危なげないこと”や“安心していられる”ことを示すようになった。

文化庁が毎年行う“国語に関する世論調査”の語意や表記にて、2003年に「姑息な」の意味を尋ねたとき、「一時しのぎ」と正しく答えたのは13%で、70%が「ひきょうな」と勘違いしていた。

06年に「混乱したさま」を表す慣用句を「上を下への大騒ぎ」と正解した人は21%で「上や下への大騒ぎ」と間違えた人が59%もいたという。

常に、上を下への大騒ぎを巻き起こす(上述の)現アメリカ大統領。その姑息な言動は、果たして一時しのぎなのか、ひきょうなのかよくわからない。ぜひとも“潔(いさぎよ)き引き際”を見せてもらいたい。無理だとは思うが・・・。