日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

Windows10よりDOSが宝物

 

先月よりWindows10が勝手に更新され、ユーザーが困っているとの話を訊く。
知人は、Windows8のパソコンを使用中にそれが始まり、長時間の中断を余儀なくされた。

開始直前に通知が表示されるが、更新回避の方法がとてもわかりにくいとか。
昨夏公開の“10”は、パソコンだけでなく、スマホタブレットでも共通のソフトを使えるのが特徴。マイクロソフト社は、旧版利用者に1年間の期間限定の無料配布を始めた。

2018年までに10億台という目標だが、思うように更新は進んでいないらしい。
3月時点で、3億台以上の導入だという。ソフトや周辺機器の対応確認や、データのバックアップの手間があるなどで、アップグレードをためらうユーザーも多い。

半強制的ともとれる自動更新は混乱を招くばかりで、7月30日以降1万7600円の有償となれば、ますます敬遠するユーザーが増えそうだ。

 

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Windows10の伸び悩みとは裏腹に、旧OSで動く往年の名機“PC・98”シリーズが、中古市場では根強い人気なのだという。PCの先駆けのPC・98は、1980年代の16ビットマシンである。

当時、ビジネス用途のほか対応ゲームソフトもたくさん出回り、ピーク時の国内シェアはビジネス向けで8割、個人向けで5割以上あったとされる伝説的なマシンである。

それも、インターネット時代に適応したWindows95の登場と、共通規格のDOS/V機が国内外から多く出回るようになると、シェアが低下した。

近年はウィンドウズPCの全盛期も過ぎ、情報通信の主役がスマホやモバイルに移りつつある。完全に使命を終えたかに思えたPC・98が、ネット通販などでは根強いニーズに支えられ、高値取引が続くのだという。

ヤフオク!”の“PC・98”カテゴリーでは千数百件の出品があったり、動作を保証しないジャンク品でも数万円で売り出されているらしい。

 

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80年代後半から90年代前半のバブル経済期に設備投資された工場設備は、開発コストを抑えるため、当時のPC・98でシステムを組むケースが多かったという。そのまま使い続けている工場こそが、今もPC・98の活躍する現場なのだ。

名の知れた大企業も、古い設備の更新に膨大な費用がかかるため、古いPCを使い続けるケースが多いのだ。そのほとんどが、“N88―BASIC”や“MS・DOS”などのOSで動いている。

PC・98シリーズを専門に扱う修理販売ショップもあり、1千台のPC・98を在庫として抱えている。こういう専門業者に頼るしかない現場のニーズは切実で、PC・98が壊れたため生産ラインが止まり、店に駆け込んで来るという。

30年も前のOSとマシンを大事に大事に使っている反面、最新のOSを無料にしてまで、いやがるユーザーのパソコンに乗せたがるOSメーカー。この矛盾と“皮肉な運命”が滑稽に思えてしかたがない。