日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

その金は果たして清潔なのか

 

小説家・三浦綾子さんは雑貨店を営んだことがあるそうだ。

手記の『わたしは手洗いおばさん』によると、<客が菓子を買おうとする。わたしはすぐに手を水道の水で洗って菓子を袋に入れる。金をもらい、つり銭を払う。そこで、また手を洗う>。

客が1人来れば、手を2回洗うペースである。
昭和という時代にかぎらず、そこまでする店は珍しい。潔癖性ではないし、病気をうつされたくないという気持ちでもない。ただ、他者への気遣いにあふれているだけ。

金(きん)の自動販売機が登場して話題になったことがある。その商品はグラム売りで手軽な贈り物サイズとはいえ、中身を合わせれば相当な金額となりそうだ。
自販機ごと盗まれるのでは、と心配になってくる。

欧州の開発企業がその懸念に対してコメントしたそうだ。
<爆薬を仕掛けても壊れないほど頑丈に作ってある>とのこと。
大胆で見事な(金への)気遣いを感じてしまう。

 

http://www.flickr.com/photos/101406145@N04/26917437526

 

日本年金機構サイバー攻撃を受け、個人情報125万件が流出した事件からもう1年。こちらは爆薬どころか、ドライバーでかんたんにこじ開けられたようなものだった。

メールの送受信と年金事務の作業をする端末を分けておらず、ウイルスの侵入をいともたやすく許した。それ以前にも防ぐ手立てはあったはずなのに。

どう見ても単なる情報なのに、そこに宝の匂いをかぎ分けるのが犯罪組織の習性。詐欺がはびこり、情報がカネに変わる。その供給と需要で成り立つ嫌な世の中である。

舛添要一都知事が、政治資金規正法違反の疑いで、マスコミに騒がれている。
3つの政治団体の政治資金収支報告書(2012~14年)を精査した結果、いくつか疑惑が浮上。

会計責任者の単純ミスではなく舛添氏本人の意図的なものと考えざるを得ないとか。
政治資金規正法の虚偽記載の公訴時効は5年で、5年以下の禁固叉は100万円以下の罰金に問われる可能性があり、公民権停止のケースも・・・。

 

http://www.flickr.com/photos/101406145@N04/26951215045

 

小渕優子・前経済産業相政治資金の不明朗な処理をめぐり、元秘書2人が起訴された。一昨年の事件の顛末も気になって仕方がない。

2人は小渕氏の政治団体の会計を担当時、交際費などを収支報告書に記載せず、別の政治団体に寄付したように装うなどし、帳尻合わせをした疑い。偽って報告された額は3億2千万円ともいわれている。

小渕氏自身は“認識証拠がない”として不起訴になったが、自らの政治団体である以上、政治的責任は免れないはず。民間企業で不正が発覚したら、当然本人が責任を負う。

問題が発覚後、小渕氏は弁護士ら第三者に調査を頼み、説明責任を果たすと約束したが、果たされていない。その後の衆院選で再選したが、疑惑の中で立候補すること自体妥当だったか。

三浦綾子さんは店で何かの拍子に髪を触っても、恐縮して水道に向かったという。
不潔な光景を見ると<この奇癖を大声で御披露に及びたくなる>と記した。