単機能を集めて楽しめるモノ
Windows10は私にとって快適である。たまに不思議な動きもあるが、今までと同じく再起動で元に戻る。前のOSで重宝していた3つのランチャー(メニューソフト)も健在で、スタートメニューのタイルに登録して、作業中にお気に入りのソフトがすべて自由に起動できるようにしている。
それまでも同じことはできたが、10のインターフェースではそういう使い方がしてみたくなる。
XP→7→10の間にあったMe、Vista、8は、短命なOSだった。私の体験にすぎないが、本来、XP→7→10の流れで販売すればいいものを、試験的なOSのMe、Vista、8で商売しちゃうところがいかにもMS(マイクロソフト)らしい。
時代の流れで、今は10が無料で手に入るということに感謝したい。わが女房殿のVistaノートも限界を超えたので、昨日新ノートを注文して1時間前に届いた。OSは8.1なので、これから10にグレードアップするつもりだ。
MS-Dosの頃からフリーソフトやシェアウェアソフトを使ってきた。ソフトに金がかかるとさんざん言われていた時代だが、ソフトに関しては安くすませていた。
お気に入りのOS(Windows7)でも、単機能で軽快なソフトを集め、自分が使うために完璧といえるカスタマイズをしていた。それがすべて受け継がれ、動作も早くなり、設定もタブレットみたいにわかりやすい。使い慣れたソフトもインターフェースが変わると新鮮である。
“単機能ツール"は、文字どおりひとつのアクションを起こして終了するだけのソフトである。単機能だからこそシンプルで軽く、パッと使うことができるのである。文章ひとつ書くのでも、ムダな機能満載のワープロソフトとは、フットワークがまるでちがう。
単純明快こそが、(多機能ではなく)高機能の条件といっても過言ではない。
私は横着で、白紙状態からはスラスラ書けない。そのため、文章を書かずに切り貼りしている。一行ほどの言葉の断片をたくさん集めて、それをアイデアプロセッサ(シェアウェアソフト)で組み立てる。その断片をストックするときに、ボイスレコーダを使ったり、スマホやタブレットの音声から文章に変換するアプリを使う。もちろん、テキストエディタに直接入力することもある。
断片を先に作っておいて、好きなところへパズルのように嵌めていく。そのためにアイデアプロセッサが不可欠なのである。アイデアプロセッサは、断片の切り貼りのみならず、本来の使い方としてKJカード、ブレーンストーミング、ひとり会議などのように、思考をまとめるのにも役立つ。
アイデアとはちょっとした思いつきである。ふとした思いつきは誰にでもある。
その思いつきを実行に移すか、そのままにしてしまうかが、分かれ目である。
アイデアが閃いたら実行に移すことをこころがけたい。
同じものを見聞きしていても、受け止め方はさまざまである。ぼんやりと見過ごしたり、聞き流してしまう人と、五感を使って全身で受け止めようとしている人とでは、情報収拾に大きな違いが生じてくるはず。
自分が読者でも、情報をほしがる。その切り口や視点、テーマはどこからでもかまわない。多くの情報で長文になったものがあれば、それを簡潔化してどう伝えるか。このことが記事として大切になってくる。
新聞記事は枠(量)を先に決めて、あとから記事を嵌め込んでいく。その“枠内”にもそれぞれの“型紙(構成)”がある。それはシナリオにおける箱書きによく似ている。細かな断片であるシーンが組み立てられて、長編映画ができあがるのである。
思いつくままにたくさんの断片を集めておくことは、映画の1シーンの蓄積にも似ている。それらがつながり、初めて流れが生まれる。
多くのデータの切り貼り作業が増えれば、効率よくこなすための単機能ソフトを探して使う。この関係がとてもおもしろいのである。基本的なことを何度も何度も繰り返すために、どれだけ<簡略化できるか>の“追いかけっこ”みたいなのである。
作曲よりも編曲という意識で書くと楽しめる。自分から発する題材やテーマには限りがある。それよりも多くの題材から刺激を受け、書きながら自分の奥にあるテーマを引き出した方がいい。
興味ある記事をいくつも組み合わせて、浮かんでくるものが見つかると、関連のないものが排除できる。そうすると自然に記事ができあがってくることもある。
ものの考え方も、ひと塊りではなく分けてほぐしてみる。最近は、総合的にひとつですまそうという風潮が強すぎるのか、逆らいたくなることも。
歩数計、ストップウォッチ、タイマー、ボイスレコーダ、温湿計・・・。
私はこれらの機器を別々に購入して持ち歩いている。
なんのことはない。全ての機能が、スマホやタブレットに収まっているではないか。
なのになんのために分けて使うのだろうか。
それはすべて単機能の使いやすさのためである。
準備することもなく、大切な瞬間もすぐに使え、失敗も少ないからである。
スマホやタブレット内のアプリは、単体の機器より使いにくく、いざというときの失敗がこわい。たまに、補助機能での使用をする程度である。
カメラも一番使いやすいのはデカくて重い一眼レフである。フライパンや中華鍋もそれぞれの特性と大きさで4種類ある。この夏はマイポット(水筒)を、容量別に4本揃えた。スペース的には困るが、外での飲食代はほとんどかからなくなっている。
ただし、単機能を追いかけ過ぎた結果、断捨離の逆を行っている心苦しさと、家族から向けられるあきれ顔には心がいたむ。