日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

こころとからだで意外な反応

 

人が以前ほど泣かなくなったのは江戸から明治に時代が移る頃だという。教育の普及により、人々が言葉で感情を伝える技術を磨き、身体言語ともいえる「涙」の出番が減ったのだそうだ。(柳田国男さん著『涕泣(ていきゅう)史談』)。

我々よりはるかに能弁であろう政治家集団の中にも、あれこれ疑惑を投げかけられても涙を見せずに黙々と公務をこなされている方が多々いらっしゃる。それでも例外はある。あれからもう1年であろうか、号泣というすさまじい身体言語を駆使した某県議さんであった。

架空の出張や、鉄道の切符代、郵便の切手代を指摘されてのことだった。なにも泣かずに出張の目的や訪問先をきちんと話せばいいのに、肝心な点を黙りこむことしかできなかったため、突然の“涙の出番”に相成ったのであろう。そうなると、上記の説がピタリと当てはまる。

 

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<妻にとって夫の存在がストレス>という新聞記事(読売7月1日付)を見つけた。昨年、私が書いたエントリ『ワシも族やお前も族は「女房元気で留守がいい!」を唱えるべし』にもある「夫源病」の名付け親で、医師・女子大学教授の石蔵文信さんが、BS日テレの『深層NEWS』に出演された際のお話である。

私がそのエントリをアップした翌朝、わが女房が救急車で運ばれ緊急入院し、無事に退院できるまで1ヶ月半を要した。新婚当時から趣味がちがい別行動をとることはあった。
自分の食事や酒のつまみなどを作ることもあった。帰省や旅行で家をあけることも多い女房なので、私もそれなりに自分のことはできていた。

それでも家事の細かい部分は“ちんぷんかんぷん”であった。この間(入院中)、自立ができるようになることの大切さを痛感し、実践してできることが増えた。そのことが、今でもとてもよかったと実感している。

 

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「夫源病」とは医学的に証明された病気ではないが、夫のなにげない言動が妻に強いストレスを与え、妻が頭痛、めまいなど更年期障害のような症状を訴える病気。ストレスの原因が、夫であるというように考えられ、夫がいないと症状が改善する症例もある。

石蔵さんは、男性の更年期障害の外来患者を診ていた。会社や社会のストレスでうつ状態になり、女性の更年期障害のような症状が出ていた。看病する妻も大変で、同様に「4年も5年も病院に通い、頭痛もあり、めまいも良くならない」という。

夫の看病をしてもらわないといけないため、石蔵さんは夫婦同時にカウンセリングをするようになった。すると、妻の症状が3か月くらいで消える例が続出したという。

カウンセリング中、妻が夫の前でいろいろなことを話すということが大事であった。妻が夫に言いたいことをだんだんと言えるようになると、症状が改善したのである。

ほかにも、「頭が割れるように痛い」「生きているのが辛い」という症状の妻が、夫の留守中や、実家に帰り夫と離れている時には症状が出ないという事例を聞いて、<夫の言動が妻に強いストレスを与えていたのではないか>と気付いたそうだ。

 

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団塊世代の定年で、大量の退職者が出始める2007年を境に、(妻にとっては)仕事ばかりで家庭にて過ごす時間の少なかった夫が、家にずっといる時代の始まりでもあった。「夫源病」増加の時期との一致があるようだ。

農業や自営業など、いつも夫婦が一緒でいられる産業に従事している人が多かった時代から、会社勤めのサラリーマンが大多数になってきたのが、団塊の世代でもある。

<亭主元気で留守がいい>のフレーズが流行るくらいなので、夫がずっと家にいるようになると、妻にとってはかなりのストレスになるのだろう。「夫源病」の症状は更年期障害とほぼ同じであるが、ホルモンの分泌量の変化に加え、ストレスが絡むことが多いという。

そしておもしろいのは、糖尿病や高血圧が体に悪いことは、統計的に分かっていても、夫が体に悪いというデータが少ないとのこと。夫が亡くなったとたんに妻が元気になるというのは、「夫源病」の典型例だとか。

 

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若い人はホルモンが出て体力もあるが、それでも耐えきれないストレスがかかれば、調子は悪くなる。逆に、60歳前後ぐらいの人でホルモンが減り、体力が衰えてきても、夫婦生活が円満であれば、症状が出ない。

ある統計によると、夫になんらかの不満を持っている妻は90%以上いて、離婚が頭をかすめたという人も80%以上いるらしい。そうした人たちは、いつ「夫源病」になってもおかしくないのだろう。

夫に対する不満は、子育ての時期に高まるケースも多く、石蔵さんはそれを「パパイヤ症候群」と名付けた。幸福と思われる結婚初期に落とし穴があるのだそうだ。夫が子育てに非協力的であるだけではなく、子どもがいるのに、“もう一人の赤ちゃん”みたいに妻に依存することも、子育ての時期に妻の中に不満が醸成される原因の一つとなる。

夫の甘えが鬱陶しく独立した男性であってほしい。自分のことは自分でできるのがあたりまえ。そして、互いに干渉しない。それが、老後の夫婦生活を円満にする一つのコツなのだそうだ。とはいえ、ここまで実行できる夫はなかなかいないような気もするが。

  

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